大人としての第一歩を祝う成人式・はたちのつどいが1月14日(月)、相模原市民会館ほかで開催される。平成最後を飾る一方、元年の式典ではバブル期を彷彿とさせる豪華な催しで盛況を見せていた。平成の最初と最後の成人式をひもとくと、時代の変遷が浮かび上がってくる。
平成最後の成人式を迎えるのは7451人。今年の新成人が生まれた1998年(平成10年)は2月に長野五輪が開催され、スキー・ジャンプ個人で船木和喜選手(当時22歳)が金メダルを獲得し、一躍時の人に。同年は他にもマイクロソフト社のWindows98日本語版発売、夏の甲子園では平成の怪物・松坂大輔投手が決勝戦で無安打無得点試合を達成し、横浜高校を優勝に導いたことなどが話題となった。
好景気を反映する豪華な式典
89年(平成元年)の市内の新成人は今年度より4000人以上多い、1万1611人。「平成」の新元号は1月8日に施行され、4月に消費税が3%でスタート。同年の12月29日には日経平均株価が史上最高値を記録するなど、いわゆる「バブル景気」として活況を呈していた時期であり、成人式もそうした時代の熱気が溢れるものだった。
現在、2000年施行のハッピーマンデー制度により、成人式は1月第2月曜日に行われているが、元年当時は1月15日の「成人の日」に式の開催が固定されていた。会場は市民会館の1カ所のみで、晴れの日にふさわしい爽やかな天気で、6007人が参加。昭和天皇崩御直後の開催だったため、ステージには松を飾り哀悼の意を表した。
99年(平成11年)までは式中で芸能人を招いたショーなどが実施され、元年にはタレントの芳本美代子さんを招きコンサートを開催。併せてビンゴ大会も行われるなど大いに盛り上がった。
「元年の新成人」からエール
上溝在住の猪熊美奈子さん(50)は元年に行われた成人式に臨んだ一人。猪熊さんは当時の様子を「バブル絶頂の時代」と表現した上で、「女の子は晴れ着の派手さを競っているような感じがあった」とし、男性については「スーツ姿の人が目立っていた」と振り返る。
当日は朝5時頃から着付けし、記念写真を撮ってから会場へ。ホールに入場した後、ほどなくして広場に戻ると小・中・高時代の級友たちと久々の対面。猪熊さんは友達の輪の中心で喜び合い、「はしゃいで大騒ぎして。何を話したかは覚えてない」。当時は携帯電話も無い時代。市民会館のみの開催とあってごった返す中、友人を探し出すのに苦労したという。
最後に、平成最初の成人式を経験した「先輩」からその最後を迎える「後輩」に対し猪熊さんは、「大人としての節度を守りつつ、悔いなく大いに楽しんでほしい。だって、一生で一度きりのことだから」と笑顔で話し、激励のメッセージを添えた。
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