さがみはら中央区 教育
公開日:2026.05.26
相模原市 待機児童9年ぶりゼロ 独自施策で保育士確保にも注力
2026年4月1日時点の相模原市の保育所等利用待機児童数がゼロとなった。17年度以来、9年ぶりの達成だ。市こども・若者未来局保育課の統括主幹・遠藤政明さんは「待機児童はゼロとなったが、保留児童は依然450人いる。受け皿の確保は引き続き必要」と気を引き締める。
南区に集中する保留児童
希望する施設への入所が叶わなかった「保留児童」は450人で前年より123人減少したものの、そのうち256人(56.9%)が南区に集中している。同区ではマンション建設に伴う子育て世帯の流入が続いており、25年度は認可保育所の新設や認定こども園への移行などにより市全体で180人分の定員を確保した。
利用申請率は過去最高に
利用申込者数は1万4100人と前年より305人減少した。就学前児童数の減少が続くなか、保育所の利用を申し込む割合(利用申請率)は56.42%と過去最高を更新した。共働きがスタンダードとなり、保育需要の性質が変化していることを市も実感しているという。
全国でも珍しい「市外保育士への加点制度」
保育士不足への対応として、相模原市が独自に取り組むのが「市外在住保育士等の加点制度」だ。市外に住みながら市内の保育所に勤める保育士が、自身の子どもを保育所に申し込む際、これまでは市内在住者より選考で不利になるケースがあった。市内の園からの要望を受け、市外在住であっても市内在住者と同等の点数を付与する制度を24年度の利用開始の審査から適用した。「全国的にも珍しい取り組み」と遠藤さんは話す。
26年度からは、保育士の宿舎借上げ支援事業の補助要件緩和や補助上限額の引き上げ、修学資金貸付の枠を2枠程度から12枠程度への拡充など、人材確保策をさらに強化している。
「官学民」連携の就職相談会を初開催
8月2日(予定)には、市・保育士養成学校・民間の関係団体の三者が連携した合同就職相談会を初めて開催する。2年前から民間の関係団体が独自に開いていた説明会に、今年度から市が共催として加わった形だ。
今回は従来の学生や求職者だけでなく、新たに対象を高校生まで広げて実施する。その背景には、「養成校入学前の段階から保育士を志す若者を増やしたいという現場の声がある」と遠藤さんは話す。
「量」と「質」、多様なニーズに対応
待機児童ゼロの達成を受け、市は保育の「量の確保」と並行して「質の向上」と「多様なニーズへの対応」を26年度の柱に据える。保育現場へのICT導入支援(予算4200万円)や、保護者の就労の有無を問わず子どもを月一定時間預けられる「こども誰でも通園制度」を37園で実施している。
医療的ケア児の受入れについては現在、市内民間5園が対応しており、26年4月に開所した市立城山保育園でも専用室を設置するなど、受け入れ体制整備などを進めている。
一方で、就学前児童数の減少は今後も続く見通しだ。需要の高い南区での受け皿確保と、市全体での施設の適正規模維持という二つの課題を同時に抱える。「既存施設の活用を基本としつつ、少子化の進行も踏まえ、施設整備とのバランスを取ることが大切」と遠藤さんは語っている。
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