さがみはら中央区 社会
公開日:2026.05.28
「耕さない」温暖化対策? 相模原市民が「土に炭素を貯める」実験
できるだけ土をかき乱さない、つまり耕さない「不耕起栽培」を地球温暖化対策の視点で行う試みが市内にある。耕す場合と比べて土壌中に炭素を貯められるかなどを実験し、データを収集しているという。
土壌中には多くの二酸化炭素が蓄えられており、2022年度の農地・牧草地の温室効果ガス吸収量は国内で300万トン。農水省では農地を温室効果ガスの吸収源と位置付け、土壌中に炭素を貯める農法に対して交付金を支払う事業を行っている。
5月20日の午前9時ごろ、津久井湖(緑区)そばの畑で出迎えてくれたのは「環境を考える相模原の会」の田渕透さん(60)。今の時期は週に1度畑に出向き、不耕起栽培を実践している。
この日の作業は年に1度の「ライ麦倒し」。昨年秋ごろに種をまき2メートルほどに育ったライ麦を、収穫するのではなく片っ端から踏み倒し畑の表面を覆っていた。翌週、倒したライ麦をかき分け隙間を作り、野菜の種をまくという。
ライ麦を倒すのは光合成によってライ麦が空気中から吸収した二酸化炭素を土に貯め込むため。そして、耕さないことで土壌中の好気性微生物(酸素を消費して二酸化炭素を排出する微生物)の活動を抑え、二酸化炭素の大気への放出を防ぐという。
田渕さんの畑には「不耕起」と「耕起」の2種類の区画があり、それぞれの土壌を比較して今年で3年目。土壌中の炭素量にはまだ差が見られず、さらに数年続ける必要があるというが、「収穫量は作物によっては不耕起のほうが多く獲れ、表面排水も良好」と話す。
「データを取って公開することで、『これなら不耕起をやってみてもいいかな』と思う農家を増やしたい」と田渕さん。地球規模の課題に対して地域に根を張り活動する意義について、「国の制度を変えることも大事。ただ、足元の方が変化を起こしやすいし、目に見える変化はモチベーションにもつながる。国が変わらなければ地域の取り組みは希望」と語った。
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