自身初の世界戦へ向けて、スパーリングで実戦感覚を養う中谷選手＝12日、M.Tボクシングジム
緑区大島在住で、ボクシングＷＢＯ世界フライ級３位の中谷潤人選手（22）が12日、所属するＭ．Ｔジム（同西橋本）で実戦練習を行った。
中谷選手はデビューから20戦20勝と連勝街道をひた走り、世界王座に王手をかける期待のサウスポー。同級１位のジーメル･マグラモ選手（フィリピン）との自身初の世界王座決定戦が、コロナウイルス感染症拡大の影響で当初の４月４日からずれ込み、見通しがつかない中で難しい調整を迫られていたが、このほど８月21日（金）に後楽園ホールでの開催が決定した。
「日程が決まり調整はしやすくなった」と中谷選手。対面を避け、シャドーボクシングやサンドバッグ打ちなど基礎を反復した練習から一転、開催決定後３回目の実戦に臨んだこの日は八王子中屋ジムの吉野ムサシ選手（スーパーフライ級）、牛島龍吾選手（フェザー級）を相手に各４ラウンド、計８ラウンドをこなして感覚を確かめた。
終了後、対戦した吉野選手は「修正力がすごい。前のラウンドで当たったパンチが次のラウンドでは通用しない」と舌を巻き、牛島選手は「一つひとつのパンチが精密で強かった」と脱帽した。中谷選手は「実戦は緊張感があり疲れた。体力をつけないと」と反省。相手との距離感に手ごたえを得たものの「良いパンチが当たると止まってしまう。２つ３つと追撃を意識したい」と課題も見つけた様子だ。
「（攻めに）いこうと思ったところでいけず、適切な判断ができていない。スムーズにいけるように引き出しを増やしたい」。あと２カ月。頂点への道は見えている。中谷選手は、「勇気や元気を届けられるよう、チャンピオンという結果を皆さんに報告したい」と決戦に向け力強く語った。
対戦した牛島（左）、吉野（右）両選手と並ぶ中谷選手＝12日
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