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緑区ワールドファーム 自然生かし水耕栽培 新鮮野菜・安定供給で好評

社会

公開:2022年3月3日

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(左)1プールに24プレートを備え、精密に菌数、水質管理が施されている完全閉鎖型の工場内(右)栽培の工程に従事する、地元住民を中心としたスタッフたち=2月18日、緑区鳥屋のワールドファーム
(左)1プールに24プレートを備え、精密に菌数、水質管理が施されている完全閉鎖型の工場内(右)栽培の工程に従事する、地元住民を中心としたスタッフたち=2月18日、緑区鳥屋のワールドファーム

 緑区鳥屋の自然を生かし、全国でも有数の水耕栽培で野菜を生産している植物工場・ワールドファームは、天候に変動されない安定供給を武器に地元のスーパーのほか、海外にも出荷するなど注目を集めている。栽培の特徴や同社の今後などについて迫った。

 水耕栽培とは、空調や細菌管理された環境下で土を使わずに栽培する手法のことで、畑での土耕栽培と違い、成長段階から外的要因による菌の付着が少なく、基本的に収穫されてから加工、包装まで菌が付きにくいのが特徴だ。

 加工時に水洗いをしないことから野菜が傷むこともないため、新鮮な状態で長持ちし、消費期限は1週間程度。露地野菜では30〜50%が廃棄されるといわれる中で、外葉から使え、さらには屋内での生産により、日照不足などの天候不順に左右されずに安定的な出荷が可能だ。

 同社では2017年に完全閉鎖型の工場を鳥屋に構え、水耕栽培を市内で初めて開始した。16年から17年の台風による北海道のジャガイモ被害を受け、南区で工務店を営む久米理士社長が「何か貢献したい」との思いから野菜を安定供給できて、かつ食品ロスを最小限に食い止められるこの手法に着目したのが契機に。農業に従事していた自身の親が天候に苦労していた姿を目にしてきたことも動機となった。

試行錯誤の連続

 当初は手探りで、照射の仕方や適切な養液の量など試行錯誤の連続。パレットの株の成長具合を見てLED照明の当て方や時間を調整し、芽が出たり、実が大きく育てば一つ一つ入れ替えるなどスタッフが手間暇かけて目をやり続けている。こうした繊細な作業の積み重ねで手法が確立され、通常なら収穫まで2、3カ月かかるところ、同社では1カ月。そうした生産努力の一端を垣間見ようと、今では水耕栽培に取り組む同業他社がその工程を見学に訪れる。

 精緻な水質管理が求められるこの手法にとって水は生命線。水がおいしいとされる鳥屋に工場を立地したのもその理由。水質管理はもとより、水の純度が生育に及ぼす影響は大きいからだ。

出荷は海外へも

 現在、工場では地元住民を中心に42人のスタッフが交代で管理。1カ月あたり500株を収穫する。取り扱う種類は主にロメインレタスやグリーンジャケットなどのレタス類やルッコラなど。収穫した野菜は地元のスーパーなどに毎日出荷され、時にはタイや香港、マレーシアなど広範囲に及ぶ。相模原では南区相模大野にあるサガミックスにも並んでいる。

 栽培室グループ長を務める平川睦子さんは、「花から育てていくというのがいとおしく、そういう思いで取り組んでいる」とした上で、今後については「効率的に栽培できる野菜を選び、種類を増やせるよう研究していきたい」と意欲的。工場長の堀込秀一さんは、「豊かな自然に囲まれているからこそ、水耕栽培が生きる」と鳥屋の地に感謝を込めつつ、「地元のスタッフで安心安全の野菜の提供に向けてこれからも頑張りたい」と意気込みを見せる。

 同社の野菜の詳細は「ワールドファーム」のホームページへ。ページから購入もできる。

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