ペットボトルなどの容器包装から家庭用品など、日常生活のあらゆる場所で利用されているプラスチック。便利な一方で、ポイ捨てなど不適切に処分されたプラスチックごみが大量に海に流れ出て、環境を汚し、海の生き物にも悪影響を及ぼしている。桜美林大学芸術文化学群ビジュアル・アーツ専修では、学生が海洋プラスチックごみを使ったアート作品を制作し、海外の環境イベントに出展するなど、アートやデザインを通して地球規模の環境問題について訴えかけた。
ビジュアル・アーツ専修2年生の学生たち8人がこの4月、鵠沼海岸(神奈川県藤沢市)で行われた地元NPO法人のクリーンアップキャンペーンに参加。そこで、ポリ袋約3袋分の「マイクロプラスチック」を収集した。ライドモード・アーティストの柏原エリナ氏に指導を受け、持ち帰った海洋プラスチックごみを使い、クラゲをモチーフにしたドレスを共同制作した。
ドレスは7月にカナダ・バンクーバーで行われた環境イベントに出展され、ファッションショーでモデルが着用。岸壁に停めたクルーザー上でのランウェイでは、観覧者の注目と喝采を浴びた。
造形作家として柏原氏とコンビを組む芸術文化学群の田中敬一教授が昨年末、同イベントのコンペティションに参加し、世界中から選ばれた10人の中にアジアで唯一招待された。田中教授は「タイムリーなテーマだったので、大学のデザインプロジェクトとして次世代につなげるため、学生と共に挑戦しました」と話し、「ごみがアーティスティックに処理され、作品としてのクオリティーも高く、プロのモデルたちの見栄えも良いと、高評価を受けました」と喜んだ。
そのドレスや作品制作、ショーの様子などの映像、写真パネルを「帰国報告展」と称し8月26日(月)〜30日(金)、町田市庁舎1階多目的スペースで展示する。午前9時30分〜午後5時。最終日は4時30分まで。
田中教授は「環境問題については、理工学系ではいろいろ開発されているが、アートやクリエーション、ファッションなどでPRをしていけたら、芸術方面に興味のある人にもアピールできる。今後も続けたい」としている。10月には市の環境フェスタにも出展する予定だ。
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