ノウハウ 途上国へ
日本のノウハウをアジアの開発途上国へ―。厚生労働省による「技能評価システム移転促進事業」の一部が現在、「八王子発」で行われている。
この事業は、日本式の技能検定の知識や技術を移転すること、また、日本のものづくりの現場で培われた熟練技能者育成のノウハウを伝え、各国の人材育成に貢献することを目的とする。2002年から、日本人の講師が現地で指導する形で行われてきた。
ただ、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で海外での研修が困難に。そこで昨年秋からインターネットを利用したリモート対応を展開してきた。
「在住」きっかけ
12月末、台町のスタジオオルウェイズに関係者らが集まり、リアルタイムでベトナムの短期大学の教員らに授業をした。内容は「機械検査2級SAT」。講師のひとりで同事業の技術顧問を務める稲川文夫さん(株式会社JTB)がカメラにむかい、現地の生徒に話しかけると目の前のPC画面に彼らの真剣なまなざしが映る。稲川さんは「今日はピタゴラスの定義や三角関数などを教えました。この事業は現地で検定の先生を養成するためのものです」と説明する。稲川さんが市内在住で、たまたま市内に配信環境が整ったスタジオの存在を知り、「八王子発」の実施となった。
「できるならやってみようと思い、試みました」と稲川さん。「リモートだと限界を感じる部分もある。それでも現地のために努力していきたい」。八王子からの配信は1月、2月も予定している。
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