昨年に引き続き、中止が発表された「八王子まつり」。人の集まるイベントは行われないものの、上地区と下地区の両神社の神事は執り行われる。まつりに対する町の人たち、それぞれの思いを聞いた。
「マスクで渡御無理」
下地区の八幡八雲神社(元横山町)は、7月23日に神事を執り行う。奉納のためのお囃子は実施予定。柚井正道宮司は「渡御(とぎょ)は密を避けられず、マスクをしながらは現実的ではない。だが、神事は何があっても執り行う。新型コロナウイルスの終息、地域の平穏無事を祈願したい」と話す。同神社青年会の栗原一会長は「 みんな担ぎたくてウズウズしてる。心の奥底ではやっちゃおうじゃないかという気持ちはあるが、黙って担ぐわけにはいかない。1日も早く終息してほしい」と話す。
上地区の多賀神社(元本郷町)では、今年の対応は近く開かれる総代会で決定される。昨年は、総代だけが集まって神事のみ執り行ったという。河村大樹宮司は「神輿が出なくても、どこの神社でも神事としての例大祭は行われます。たとえ、人と人が一切接触できない状態だったとしても、神職1人で実施するはず」と話す。
まつり衣類・用品を販売している中川商店(横山町)の中川大輔さんは「仕方がない」と落ち着いた様子。まつり期間中は1年でも一番の稼ぎ時。中止は店にとって死活問題だが「開催する場合、当日の3日間は密を避けるために休業にしようと思っていた」とも話す。「各町会の判断で山車の移動などは認められているようなので、店にお客さんが来ることは想定している」そうで、密にならない対策に構想を巡らせている。
「みんなが楽しめないと」
例年、神輿を担いでいた男性は「八王子まつりが中止なのにオリンピックが開催されるのは、正直矛盾を感じる」と憤りを隠せない。別の男性は一度開催が発表されてから中止が決まったことについて「やっぱりと思った。一瞬は盛り上がることができたかな」と苦笑い。
「お祭り男」を自認するある男性は「コロナ禍での開催は賛否両論。様々な意見がある。みんなが楽しめないんじゃ、開催はできないでしょ」と落ち着いた表情で話した。
八王子版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|