マスターズ水泳の女子200mバタフライ(80〜84歳)で日本記録を更新した 長谷部 征子さん 宮下町在住 79歳
前だけ向いて泳ぎ切る
○…2月に千葉県で行われたマスターズ水泳大会で、80〜84歳級の女子200mバタフライに出場。5分15秒18で泳ぎ切り日本記録を更新した。「自分は12月生まれなので今年はチャンスの年。400m個人メドレーも日本新を狙いたい」と意気込む。マスターズは暦年齢で出場区分が決まるため、12月生まれは体力的に有利。その利点を生かし59歳、69歳、74歳でも平泳ぎやバタフライで日本記録を更新してきた。「今も抜かされていない記録もある。選ぶ人が少ない部門を狙っています」
○…水泳との出会いは母になった30代前半。生まれた我が子を「とにかく健康に育てたい」と、スイミングスクールに通わせた。毎回見学するうちにスタッフに誘われ、トイレや着替えなど、子どもたちのお世話係として働くことに。めきめきと上達する我が子を見守りながら、自身も指導者になるべく、日本水泳連盟や文科省の水泳教師、地域スポーツ指導員など様々な資格を取得し、泳ぎの技術を磨いた。
○…岡山県出身。終戦直前、5人兄弟の末っ子として生まれた。幼いころから健康で、あふれる自然の中で元気に遊んだ。芸事が好きだった母は箏に茶道、華道、日本舞踊などを習わせてくれた。「山で摘んだ花と水盤があればできる華道が性に合ってたみたい」。生け花は今も続く習い事。水泳より予定を優先するほど、なくてはならない営みだ。
○…最近は膝や腰に痛みを抱えながら練習に励む日々。「痛くても動かなくてはダメ。筋肉がなくなってしまう」と運動を制限する医師と対立したことも。人生を楽しむコツは後ろを振り返らないこと。「悲しいこともあるけど、振り返ってもしょうがない。前だけを向いて生きていきたい」
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