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大和 意見広告

公開日:2026.03.27

市政報告
4・2億円の教育ICT、本当に必要でしょうか子どもの脳と学びを守れるのか- 一人一台端末の再検証
大和市議会 虹の会

  • 4・2億円の教育ICT、本当に必要でしょうか子どもの脳と学びを守れるのか- 一人一台端末の再検証 (写真1)

教育ICT予算

 令和8年度予算では、大和市の教育用コンピューター運用管理事業として概ね4・2億円の市費が計上されています。しかし、教育のICT化には重大な懸念も指摘されており、子どもへの影響を十分に検証する必要があります。

 大和市ではGIGAスクール構想のもと、小中学校で一人一台端末の活用が進められてきました。しかし私たち虹の会は、この教育のデジタル化が本当に子どもたちの成長に資するのか、改めて立ち止まって検証すべきと訴え続けています。

世界で進む「教育デジタル化」の見直し

 令和6年12月議会で、石田ゆたかは一般質問において教育のデジタル化の見直しを取り上げました。現在、世界では子どもとデジタル端末の関係を見直す動きが急速に広がっています。フランス、イタリア、イギリス、オランダ、オーストラリアなどでは学校でのモバイル端末の使用制限が進んでいます。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2023年に発表したグローバル教育モニタリングレポートにおいて、ICT教育の効果について確固たる証拠は十分ではないと指摘し、各国政府に対して教育のデジタル化を適切に管理・規制する必要性を提起しました。

 また国際学力調査PISAの分析でも、ICT機器の過度な使用と学力の間に負の関連が示されています。スウェーデンでは一人一台端末の導入後に学力低下が問題となり、現在は紙の教科書を重視する方向へ政策転換が進んでいます。フィンランドなどでもデジタル教育の見直しが進み、紙の教材や対面での学びの価値が改めて評価されています。

 つまり、世界では教育のデジタル化そのものを見直す動きが広がっているのです。

脳科学が示す子どもへの影響

 さらに石田は、脳科学の観点からの研究も紹介しました。東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授は、仙台市の公立小中学校に通う約7万人の児童生徒を対象に、学力や生活習慣を10年以上追跡する大規模調査を行いました。さらにMRIを用いた脳画像研究では、スマートフォンの使用時間が長い子どもほど、思考や記憶、学習などの認知機能に関わる大脳皮質や白質の発達に影響が出る傾向が確認されています。子どもの脳の発達に関わる領域に影響が及ぶ可能性が示されていることは、極めて深刻な問題と言わざるを得ません。

 人間の脳は、特に小学生から中学生にかけて急速に発達すると言われています。この重要な発達段階において、長時間のデジタルスクリーンへの曝露がどのような影響を及ぼすのかは、教育政策として極めて慎重に検討されるべき問題です。

市議会での問題提起

 石田はこうした知見を踏まえ、端末導入後の視力や学力、精神面への影響をどのように把握しているのか、保護者へのリスク周知は十分か、また莫大な維持費や更新費用に見合う教育効果があるのかを市に質しました。これに対し市は、端末導入前後で健康面や学力面に有意な差が確認されたわけではないと答弁しました。一方で、文部科学省はデジタルスクリーンの脳への影響について研究していないことも認めています。つまり、市としても十分な検証結果を持たないまま運用を続けている実態が浮かび上がりました。

 石田は一般質問の中で、教育のICT化については導入そのものが目的化していないかを慎重に検証すべきだと指摘しました。デジタル技術は教育の中で一定の可能性を持つ一方で、子どもの発達や学習環境に与える影響についてはまだ十分に明らかになっていない部分も多くあります。特に視力の低下や依存傾向、学習への集中力の低下などが国内外の研究で指摘されている中で、子どもたちの健康や発達にどのような影響があるのかを継続的に調査し、その結果を政策に反映していくことが重要ではないかと問題提起しました。

脱デジタル化の問題提起

 続く令和7年9月議会では、大波修二議員が「脱デジタル化」に向けた一般質問を行いました。大波議員は、スマートフォン依存の問題を指摘し、日本では高校生の約1割、推計52万人以上がスマホ依存症とされ、予備軍を含めると70万〜80万人規模にのぼる可能性があると紹介しました。また、フィンランドなどデジタル教育先進国で学力低下が顕在化し、紙の教育への回帰が進んでいること、日本の学力調査でもICT活用時間が長いほど平均正答率が低下する傾向があることを指摘しました。その上で、大和市はこうした国際的な動向をどこまで研究しているのか、学力低下の懸念をどう捉えているのかを問いました。

4・2億円の教育ICT、必要なのか

 大和市では令和8年度予算において、教育用コンピューター運用管理事業として概ね4・2億円の市費が計上されています。これは端末更新やネットワーク運用、保守管理などを含む大きな予算です。学校教育のデジタル化は国の政策として進められてきましたが、自治体にとっては継続的に大きな財政負担となります。

 4・2億円という市費は、教育分野の中でも決して小さくない規模の予算です。限られた財源の中で、教員の負担軽減や子どもたちへの直接的な支援、学習環境の整備など、他にも必要な施策は数多くあります。その中で、教育ICTにこれだけの公費を投入することが本当に優先すべき政策なのか、冷静な議論が求められています。

ICT教育の再検証を求める決議案

 私たちはICTそのものを否定するものではありません。支援が必要な子どもにとって役立つ場面があることも承知しています。しかし、一人一台端末を全児童生徒に長時間使わせることが、本当に子どもたち全体の利益になっているのかは別問題です。視力への影響、依存、情緒不安定、学力低下の懸念が指摘される中で、十分な検証が行われているとは言えない状況です。

 こうした問題意識から、令和8年3月定例会では、「検証なきICT教育の再検証及び小学校一人一台端末の見直しを求める決議案」を提案しました。子どもたちの健康と学び、そして限られた財源の使い方を守るため、教育のデジタル化を冷静に再検証する必要があります。

 概ね4・2億円もの市費を投じる教育政策が、子どもたちにとって本当に必要なのか。子どもたちの未来に関わる問題です。ぜひこの議論に関心を持っていただきたいと思います。

虹の会

大和市林間1-16-16 シティハイム向陽203号室

TEL:090-6691-3686

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