厚木の宝
熊本の阿蘇の麓に、昨年国宝になった通潤橋のある山都町という農村があって、江戸時代から「清和文楽」という人形浄瑠璃が伝承されている。目下、私はそこで漫画「ワンピース」を人形浄瑠璃化するという仕事に励んでいる。熊本出身の原作者・尾田栄一郎氏が度重なる天災に傷ついた故郷のために「ワンピース」を役立てて欲しいと申し出られ、熊本復興事業の一つとして行政が進めている企画である。私は以前「スーパー歌舞伎II・ワンピース」に携わった縁で脚本演出の依頼を受けた。
村人たちが農作業の傍ら守って来た伝統芸能で決して洗練されたものではない。高齢化、後継者不足も深刻だ。しかし今春から始まる定期公演に向けて大きな注目を浴びて、取り組む意欲が急速に高まっている。私も今までよく知らなかった浄瑠璃や人形の面白さ、奥深さに改めて触れてやり甲斐を感じている。
稽古中、清和の人たちと語っていて厚木に残る相模人形芝居の話になった。その分野で相模はとても有名な存在なのだ。しかし実は私はその故郷の宝と深い関わりを未だ持ったことがない。遥か山都町には人形芝居のために何度も通っているのに。
我々は身近にある宝の価値を見落としがちだ。近い分だけ、軽視してしまう傾向さえある。他に負けぬ歴史と価値を持つ厚木の伝統文化。この機に今一度注目し、新たな価値を見出したいと考えている。
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4月19日