神奈川県はこのほど、ひとり親家庭アンケートの最新結果を公表した。ひとり親家庭への福祉対策を進めるための基礎資料とすることが目的で、2016年以来の調査となった。
児童扶養手当の受給資格者5万5014人を対象にインターネットで昨年8月に調査を実施して2679世帯から回答を得た結果をまとめた。回答者の97・2%が母子世帯だった。
回答者のうち、「常勤・正規職員」として働く人が45・8%で、16年度の前回調査から20ポイント増加した。正規雇用の増加が見られるものの、依然として正規で働く人は就業者の半数未満にとどまった。
世帯収入では、「200〜300万円未満」が31・4%、「200万円未満」の割合は28・9%で回答者の6割超が300万円未満の収入だった。
「児童のいる世帯」の平均所得812万円(23年国民生活基礎調査)と比較すると依然として大きな開きがあることが分かる。預貯金額は「0円」が25・4%、100万円未満は58・1%だった。
養育費を「もらっていない」と答えた人は62・5%で、24歳以下の8割以上が「もらっていない」とした。
ひとり親になって困ったことは、生活費と子どもの養育、教育のことが8割近くを占めた。父親では「相談相手がいないこと」が41・7%で母親の2倍近くあった。
自由意見では、高校以降の学費負担や塾費用の負担軽減、公的な学習支援のほか、学童保育の高額な料金や利用制限の改善などを求める声が多くあった。
制度面では、「児童扶養手当などの現金給付拡充」や「養育費の確保に向けた支援」、「奨学金制度や学校教育にかかる費用の助成・免除の充実」に関心が多く集まった。
調査結果を踏まえて県は、「引き続き、ひとり親家庭への支援に着実に取り組む」としている。
経済問題が焦点
今回の調査では、ひとり親家庭の厳しい実態が前回に続き浮き彫りとなった。一方で回答者が少ない父子世帯(72世帯)や、死別、児童扶養手当の資格がないひとり親の実態は見えにくかった。今後はこれらも詳細に分析して、より実効性のあるきめ細かな支援を速やかに実施することが急務と言えそうだ。
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