横須賀・三浦 人物風土記
公開日：2012.05.25
全国高校総体の出場をめざす、湘南学院女子サッカー部監督
木村 みきさん
湘南学院高校教諭 32歳
女子脚光に「よっしゃ！」
○…今年より高校総体の正式種目に登録された女子サッカー。一昔前は、「サッカーをやっているというだけで怪訝な顔をされ、恥ずかしい思いをした」。中学では女子という理由でサッカー部への入部が許されず、言いようのない空しさを味わった。「女の子がサッカーを楽しんで何が悪い！」そんな反発精神を燻らせ不遇の時代を乗り越えてきただけに、「やっと認められた。これで胸をはれる」と心の底から喜んだ。
○…サッカーを始めたのは小学２年。地元でサッカーを教えていた父が、女子チームを設立したことがきっかけだったが「興味はまるでなし。単なる人数合わせです」とあっけらかんと笑う。しかし、チームに馴染みだすと「どうせやるなら誰にも負けたくない」と生まれ持った負けず嫌いの性格を触発。気がつくと中学・高校・大学と、青春の全てを捧げるほどの大きな存在になっていた。
○…自身も同部のＯＧ。部員は生徒であり、後輩でもあるだけに指導にも熱が入る。指導方針は高い自主性。大事な局面で押し負けないメンタルと、個々の迅速な判断力を養うため、「こうしなさい」との指示はあえて出さず、練習では厳しく接している。その成果は今月13日に行われた県総体決勝で見事に体言した。延長終了間際の劇的ゴールで勝利し初優勝。県代表の座を射止めたのだ。着任して11年目、長年信じてきた理念が実を結んだ瞬間だった。
○…「中学時代に所属していたクラブチームの上位グループには、なでしこジャパンの澤選手がいた」当時からその非凡さは注目を浴びていた。プレーを見るたびに「努力だけでは強くなれない。才能も必要なのだ」と悔しがったこともあった。闘う舞台は違うが、同じ時代を駆け抜けてきた同士に負けじと飛躍を誓う。目標はずばり「全国高校総体へ出場。もちろん全国制覇」来月２日に行われる関東大会の１回戦突破で全国への弾みをつける。
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