湘南学院高校
全国出場14回、第8回大会では優勝を果たした実績のある強豪として知られる同部。ただここ数年は関東大会には進むものの初戦敗退が続き、悔しい涙を呑んできた。また今春はコロナ禍で約3カ月もの間、練習がストップ。インターハイも中止になった。ようやく練習が再開できたのもつかの間、キャプテンの中道はなさんが左膝前十字靭帯損傷のケガを負い、半年以上、試合に出られないというアクシデントにも見舞われた。
それでもチームはあきらめなかった。中道さんは足の痛みと戦いながら、相模原市の自宅から往復約4時間かけて通学。日々練習を見守り、11月の関東大会ではマネージャーとして初戦を迎えた。声が枯れるほど仲間に声援を送るキャプテンの姿は、選手を奮い立たせた。中学時代、中道さんと同じクラブチーム「大和シルフィード」に所属し、高校入学後も「全国制覇」を夢見てともに汗を流してきた吉川麗さんが、コーナーからのクロスに頭で合わせ先制。その後もチームの勢いは止まらず、全試合先制点を挙げる活躍ぶりで全国の切符を手にした。
キャプテンと交わした約束
吉川さんは「『一緒に頂点目指そう』というキャプテンとの約束を守るため無我夢中だった。全国では攻撃的なプレーで、持てる力を全て出し切りたい」と意気込む。中道さんは「ここまできたら優勝したい。私たちらしく戦いを楽んでもらえるように、仲間を信じて支えていく」と期待を込める。
3年間の集大成、全国で発揮
入学当初からレギュラーで試合経験豊富な3年生8人、2年3人で構成される”湘南女子イレブン”。ピッチを広く使う走るサッカーを武器に両サイドを駆け抜け、相手の隙を突いて得点に絡むスタイルを得意とする。
木村みき監督は「これまで競って負ける試合が多かった。土壇場の粘り強さと決定力が優勝の鍵になる」と分析。選手たちは現在、一人ひとりの技術、精神を鍛えるために激しいプレッシャーの中を突破する1対1やセットプレー、堅い守備など、大会に向けてハードな練習をこなしている。
初戦の相手は兵庫県の神戸弘陵学園。監督を務める山口実奈美監督は、同部出身で木村監督の教え子でもある。「いつかは対戦すると思っていたが複雑な気持ち。しかし、勝負に情けは無用。3年生は集大成を見せ、”横須賀に湘南学院あり”と全国に名を轟かせてほしい」と選手の背中を押す。
全国大会は各地区を勝ち抜いた32校によるトーナメント形式で争われる。隣のブロックには前回優勝校の藤枝順心(静岡県)も控えている。TV放映(TBS系列)、ネットの配信も予定。
「自身持ってゴールに向かって」
監督14年目で自身も同部OG。部員は生徒であり、後輩でもある。
「今年のチームは攻撃力がある」と評しつつ、「勝ち進むには勢いが大事。初戦で先制できるかが戦いを左右する」と選手を奮い立たせる。
「みんなは初めての舞台に緊張するかもしれないが、自信持ってアグレッシブにゴールに向かう姿勢をもってほしい」
喜びと感謝の気持ち大切に」
同部1期生で、1・2年時には全国大会で準優勝。大学在学中に日本代表に選出され、後にワールドカップドイツ大会で優勝に貢献した”なでしこジャパン”の一員だ。
現在は帝京平成大学(千葉県)の監督で、同部からも3人が進学予定。「大舞台に立てる喜びと感謝の気持ちを大切に悔いなく全力出し切ってほしい」とエールを送る。
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