戻る

横須賀・三浦 社会

公開日:2025.10.10

上町の石渡さん
行政と市民の橋渡しに従事
16年の活動で総務大臣表彰

  • 総務大臣から受賞した表彰状を手にする石渡さん

 総務省は9月3日、都内で全国の行政相談員99人に対して総務大臣表彰を行った。神奈川県からは4人が選出され、横須賀市上町在住の石渡道夫さん(79)が受賞した。

 行政相談員とは、行政に対する苦情や意見、手続きに関する問い合わせなどを受け付けるボランティア。横須賀市では現在8人の相談員が交代制で活動しており、市役所内の市民相談室に設けられた窓口で任務にあたっている。

 横須賀市役所の職員だった石渡さんは、定年退職後の2009年、かつての部下だった市職員から行政相談員就任の依頼を受けた。

 「正直なところ、行政相談員が何なのかよく知らなかった」というが、その役割を調べると、現役時代の経験を生かして市民の役に立つことができるのではないかと実感。引き受けることに決め、以来16年間にわたり活動を続けてきたことで、今回の受賞に至った。「そんな大それた活動をしてきたつもりはないので、なぜ私が?という思いでした」

寄り添う気持ち忘れず

 総務大臣に委嘱される相談員は、国への提言や要望を受けることが本来の役割。しかし、実際には市民にとってより身近な県や市に対する内容がほとんどだという。石渡さんは、「行政に直接伝えることに抵抗がある人もいる中、行政相談員は相談者と同じ立場の市民。気軽に話しやすいという点が、最大の存在意義ではないか」と話す。

 相談内容は道路の穴の補修、成長して視界を遮る街路樹など、土木関係に関するものが多い。その一方、近所とのトラブルや相続に関することなどプライベートの相談もあるが、「人間は誰かに話を聞いてもらうことで心のモヤモヤが晴れることもある」と、常に相談者に寄り添って耳を傾けるのが石渡さんのモットー。だからこそ、介護や子育てで孤立感から虐待に至ったというニュースに心を傷める。

 「困ったことがあれば、一人で抱え込まずに市民相談室で話してもらえればきっと何とかなることを知ってほしい」と石渡さん。趣味のソフトボールで健康を保ち、80歳の定年まで任務を全うする覚悟だ。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

横須賀・三浦 ローカルニュースの新着記事

横須賀・三浦 ローカルニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS