横須賀・三浦 社会
公開日:2026.09.04
頂点極めて故郷へ戻る 常石隆志さん
世間がアニメ『ヒカルの碁』のブームに沸いていた小学5年生の時、囲碁と出会った。祖母の勧めで地元の教室に通い始めると、並外れた集中力を武器に才能が開花。中学入学後は、プロ棋士を養成する日本棋院の院生となった。
「人物風土記」に登場したのは、18歳で当時の最年少優勝記録を打ち立てた朝日アマチュア囲碁名人戦を連覇した2010年8月。「世界で戦えるプロになりたい」と志を語っていた。
その翌年、19歳でプロ試験に合格。小学生のプロ棋士も珍しくない世界では「遅咲き」のデビューだったが、2年目には若手棋士の大会で4強入りを果たす。しかし、その後はプロの厳しい世界に圧倒され、もがき続ける日々が続いた。
それでも、「やめたいと思ったことは一度もない」と愛する囲碁。立ちはだかる壁をむしろ楽しみ、プロが集まる研究会にも積極的に参加して研鑽を重ね続けた。
ブレイクスルーの契機は、2018年に導入したAIの活用。対局を分析することで弱みを把握して「自分のスタイル」が確立され、21年には目標としてきた「年間勝率7割」を達成した。スポーツなら自主トレにあたる「研究」は、毎日6時間以上。8時間に及ぶ対局を戦い抜くため、午前中はジムで筋トレに励む。コンスタントに好成績が残せるようになり、昨年は6段に昇格した。
活動の原点である故郷・三浦で、囲碁の普及活動に取り組みたい思いがある。ただ、「足りないものが明確になるから、負かされることも喜び」と充実期を迎える今、一流棋士の証「リーグ入り」も視野に捉え始めた。地元への恩返しは、その頂点を極めたもう少し先になりそうだ。
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