葉山牛の生産で知られる葉山町上山口の石井ファームが、日本短角和牛の肥育に挑戦している。赤身が特徴の品種で、牛肉に対する嗜好の変化や良質な牛肉を普段から食べてもらいたいとの思いから昨秋、導入した。代表の石井裕一さんは「餌の配分など試行錯誤している所だが、大事に育てていきたい」と話している。
石井ファームは約50年前から葉山牛の生産をはじめ、裕一さんで2代目。農家としてわかっている範囲で9代目という。釜で炊いた米や、食品製造の過程で出たビールかすやおからを混ぜた餌を毎日手作りして与えており、上品な脂と強い旨味が特徴だ。
昨年5月には、念願だったという直売所「間山マルシェ」をオープン。手塩にかけて育てた葉山牛のほか、和牛とホルスタインの交雑種を葉山牛と同じ餌や環境で育てた「葉山石井牛」、畑で育てたとれたての野菜などが並ぶ。
開店以来、地域住民のほか、都内からドライブがてら毎週末通うリピーターも獲得し、順調な滑り出しとなった。そんななか、裕一さんは店舗を運営し、消費者の声を直接聞くことで意識の変化が生まれたという。「赤身肉のニーズを肌で感じているのと同時に、地域の人たちにもっと気軽にうちの肉を食べてほしいという思いが強くなった」
その後、オープンから半年が過ぎた昨年10月、岩手県から1歳未満の短角牛のメス2頭を仕入れた。放課後や週末に餌作りや牛の世話に汗を流す高校1年の長男・秀一さんは「最初は戸惑っている様子だったけど、今ではよく食べてくれる。大きくなるのが楽しみ」と話した。出荷できるサイズになるのは2年半後という。将来的には乳牛の飼育も考えているという祐一さん。「ここ葉山でしかできないことに挑戦していきたい」と意気込んでいる。(葉山マルシェは1月1日〜3日、精肉のみ販売)
葉山牛カレー県職員へ寄贈
三浦半島酪農組合連合会(石井廣会長)がコロナ対応にあたる県職員を元気づけようと神奈川県庁に対し、葉山牛カレーやシチュー約600食を寄贈した。
先月15日には県庁で寄贈式=写真=が行われ、石井会長や関口健副会長らが首藤健治副知事に手渡した。
逗子・葉山版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|