善行在住の市川榮一さん(75)が、自転車で米国西海岸の縦断3千Kmを達成した。走行ルートを南北で分け、南側を昨年9月、北側を先月、それぞれ2週間かけ完走。市川さんは2017年に、米国横断を達成しており、これで縦断と横断合わせて、14州約9千Kmを走破した。
市川さんは縦断達成へ、自身の誕生日となる5月12日にシアトルを出発。メキシコの国境まで続く州間高速道路5号線を南走し、国道101号線を経由しながら、27日にゴールとしていたサンフランシスコに到着した。すでに走破していたメキシコとの国境の街サンディエゴからの走行距離と合わせ約3千Kmの旅が完結した。
「やってやったぞ」と達成した喜びを言葉にする市川さん。「75歳になっても、楽しく思っていたことができた」と喜びを噛み締めた。
学生だった21歳のときに、初めて自転車で日本橋から四国、九州を回り、魅力に目覚めた。海外文化への興味から「いつかアメリカの広い大地を走ってみたい」と夢見るように。仕事をリタイアした72歳のとき、50年越しの夢を叶えようと米国への挑戦を決意した。以来、足かけ3年、縦横断約9千Kmを完走した。
今回は、あいにくの雨がスタートから1週間ほど続き、半日で走行を諦める日もある出だしとなった。オレゴン州の国立公園を抜ける道は上り坂が続く難所で、特に乗り越えるのが困難だった。旅の途中では後輪のブレーキが壊れるなどもアクシデントもあった。
そんな中でも「人との出会い、親切を受けたことは忘れられない」という。道に迷い雨宿りをしていた山間の村では、老夫婦が食事を振舞ってくれ自宅に泊めてくれた。偶然知り合い昼食を共にした男性は、「ゴールしたら寄ってくれ」とサンフランシスコにある自宅に招待してくれた。
市川さんは「大変だったけれど、雨が降ってくれたから優しい人に出会えた。これまでの旅の途中では多くの人に、助けられ親切を受けた。とてもうれしく忘れられない。そういう支えが無ければ完走することも難しかった」と振り返った。
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