藤沢 政治
公開日:2026.06.19
衆院12区落選の阿部氏 「中道」離党語る真意
今年2月の衆院選で立憲民主党から中道改革連合に合流し、12区から立候補したものの落選した前衆議院議員の阿部知子氏(78)が10日、県庁で記者会見を開き、9日付で離党したことを発表した。「中道結成は決定的な誤りだった」。高市政権の発足や自民、公明の連立解消という政治情勢の中で結成された中道からの離党劇。背景には、党運営の不透明さへの憤りと平和外交、経済危機を巡る今の日本政治への深い危機感があった。
民意の離反
阿部氏は当初、高市政権の対抗軸として「平和への結集」を掲げ、党の枠組みを越えた協調を目指していた。選挙戦直前になって急転直下、一つの党へと統合される方針が示されたという。
「私たち議員に直前まで知らされなかった。執行部で決められたことで青天の霹靂だった」
阿部氏は立憲を立ち上げた一人。「当時の皆の力で野党第一党へ押し上げた」という草の根の民主主義、有権者への説明責任という原点に照らし、中道結成のプロセスは受け入れられなかった。「結果として1足す1が0・5になってしまった」。民意の離反を招いた合流を批判した。
政策面においても、元与党である公明との一党化がもたらした弊害を指摘。国家情報局の設置や入管法対応、健康保険法といった国政課題に対し、野党の独自性が失われていく現場を目の当たりにした。
「一つの結果を得ようとする時、公明は方針を変えない。結局、立憲が野党らしさを捨て、そこに雪崩れ込んでいかなければならない。国会が野党不在になり、大政翼賛会化しかねない」
沖縄の基地問題では、党内で検証プロジェクトの立ち上げを模索し、65人の現職や落選議員から署名を集めて直訴したが却下されたという。
立憲復党へ
現在、阿部氏が最も精力を注いでいるのが「平和外交」と「経済危機への対応」だ。特にイランを巡る外交情勢や国内での石油・エネルギー不足の現状については、政府の対応を「国民をだましている」と非難する。
世界的な石油危機が叫ばれる中、国内ではナフサや重油の深刻な不足がビジネスや国民生活を直撃している。「でも政府は緊密な関係にあるはずのイランに、米国の顔色を伺うあまり独自の対話外交を行えていない。稚拙で国益を考えていない外交」と一蹴した。
「対話は仲の良いグループ(同盟国)でするものではない。意見や立場が異なるからこそ、対話という外交が必要。高市さんには『そこをどけ』と言いたい」
議員のバッジを失った今も、阿部氏の足取りは軽い。地域の行事への出席は多く、憲法フォーラムの開催や原発問題の集会、福島からの自主避難者との対話など、深い政治活動に時間を要している。
今後の動向としては、立憲に一般党員として戻り、政治活動を続けていくという。「国会で十分に論じられない課題をじっくりと議論し共有するための集まる場(政治団体)の結成」を模索していることを明かした。
「地域で会った人と話すほど、皆さんはまともに、全うに生きていると感じる。全うでないのは政治だけ」
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