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公開日:2026.07.31
「藤沢産」の流通視野に 日大生物資源科学部が巨大キノコの人工栽培実験
日本大学生物資源科学部(亀井野)の森林植物・微生物学研究室は、昨年7月に同大キャンパス敷地内で発見された大型キノコ「ニオウシメジ」の菌株を分離培養し、人工栽培に向けた実験をスタートさせた。「藤沢産」としての流通を目指したい考えだ。
熱帯原産のニオウシメジは、大きな子実体(傘や柄など一般的に食用とされる部分)を持つのが特徴。近年では温暖化の影響からか、茨城や群馬など関東圏でも発見例が報告されている。
同敷地内では、冬場の低温を乗り越え、昨年確認された場所から1〜2メートルほど離れた地点で今年7月上旬にも再び発生した。研究室で専任講師を務める松倉君予さんは「先行研究によると、10度以下になると生存できない可能性がある。だが、冬場の低温にも耐えられたことから、発生地の土壌が栄養豊富で生息条件が良かったのでは」と推測する。
また、昨年の個体から採取したDNAの塩基配列を解析したところ、韓国や中国で登録されているニオウシメジのデータと99%一致。一方で菌株ごとに塩基配列が異なることも判明しており、性質の違う複数の菌株が存在している可能性が高いという。
個性に合わせ手法模索
昨年の発見を受け、藤沢産の菌株に適した栽培手法を探る研究が始まった。「ニオウシメジは菌株により好む温度や湿度が異なる。いわゆる『個性』がある」と松倉さん。国内には既存の栽培法がいくつか存在するが、地域特有の菌株や気候条件に合わせた手法の確立を目指す。
研究室では、昨年の個体から菌株を分離培養することに成功し、今年4月から室内でおがくず培地を用いた菌株の培養を進めてきた。7月には隣接する空き地に菌床を埋設。順調に生育すれば、今年9月ごろには子実体が発生し、収穫が見込めるという。
「藤沢産ニオウシメジの栽培」を卒業研究のテーマに据えた、研究室に所属する4年生の谷藤心さんは「初めて見たときに大きなインパクトを受け、培養や栽培に興味を持った。キノコの培養は初めてだったので新鮮な気持ち。まだマイナーなキノコなので、藤沢産として流通させたい」と展望を語った。
松倉さんも「研究を重ね藤沢産として人工栽培できれば、興味を惹かれる人も多いはず。いずれ流通させ、夏キノコの定番になれば」と期待を寄せた。
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