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公開日:2026.07.03
「盲導犬お断り」藤沢で多発 法制化20年も進まぬ理解
「ランチをとろうとした。でも3軒とも断られたので仕方なく家に帰った。好きなものを食べたい時、いつも私たちはそれを簡単に口にすることができない」――。全日本盲導犬使用者の会の副会長で、自身も盲導犬ユーザーの桑原真紀さん(63・横浜市在住)は生きづらさを吐露する。藤沢市内の飲食店で先月13日、桑原さんらのグループが相次いで入店を拒否された。身体障害者補助犬法の施行から20年余りが経過した今もなお、当事者を社会から孤立させる”見えない壁”が放置されている。
社会を問うバリアフリー
「くげぬま福祉体験フェスタ」に参加した帰り道のことだった。1軒目は電話、2軒目は「3人なら入れる」と確認を取って店に赴いたが、「2時間先まで開かない」と事前説明とは異なる理由、3軒目は店側から「店内への犬の同伴は禁止している」と告げられ、入店できなかった。桑原さんは「せっかく楽しいイベントの後だったのに寂しい気持ちになった」と唇を噛みしめる。
2002年に施行された同法では、不特定多数が利用する飲食店や施設、病院、乗り物などへの盲導犬と聴導犬、介助犬を含む補助犬の受け入れが義務付けられている。しかし罰則規定がないことに加え、事業者側の認知不足などが実効性の薄さにつながり、トラブルが後を絶たない。
NPO法人全国盲導犬施設連合会は、8つの盲導犬育成団体の盲導犬ユーザー576人に「盲導犬受け入れ全国調査」を実施。24年の1年間で全体の48%にあたる276人が、飲食店や交通機関などで「盲導犬の受け入れ拒否を受けたことがある」と回答した。
市内の保育園や図書館での講演、グッズ販売で得た収益を盲導犬育成団体へ寄付する活動を展開するのが、盲導犬使用者サポートクラブ(MSSC)だ。共同代表の相澤純子さん(75・辻堂東海岸在住)は「外国では当たり前にまちで盲導犬が動いている。入店拒否はありえない」、桑山直子さん(75・白旗在住)は「桑原さんの話を聞いた時はショックだった。地元藤沢が障害の有無に関わらず、誰も取り残されないなまちになるのは、まだ先なのかもしれない」と自分事のように肩を落とす。相澤さんと桑山さんらは「知らない。だから排除する」という悪循環を断つため、草の根の啓発活動を続けている。真のバリアフリーの実現には社会全体の理解が不可欠で、容易ではないことも承知の上だ。
2人と親交のある桑原さん自身は「盲導犬はペットではない。私の目の代わり。周りに迷惑をかけないようユーザー側も清潔に保つ努力をしている。行政には事業者への講習などを通じ、周知を徹底してほしい」と訴えている。
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