藤沢 文化
公開日:2026.10.16
鵠沼松が岡「尾日向家住宅」 築100年の建物修繕にCF 歴史と緑次世代へつなぐ
明治期以降、別荘地として発展を遂げた鵠沼松が岡の地に佇む「尾日向家住宅」が間もなく築100年を迎えるのを前に、大規模修繕に向けたクラウドファンディング(CF)が13日から始まった。「鵠沼の歴史的建造物と緑を次の50年へ」と題し、湘南を象徴する別荘建築と豊かな自然を維持保存していくことを目的とした初の試み。目標金額は500万円。特に老朽化が著しい屋根や外壁の工事に充てられる。
1928(昭和3)年頃に建設されたとされ、洋館と和館が一体になった同住宅。腰壁のスクラッチタイルや赤褐色の洋瓦など、当時の高い意匠性を今に伝えるランドマーク的存在として、2018年には国の登録有形文化財に指定された。
19年からは貸しスペースとして地域に開放されているほか、月に一度の庭掃除ボランティアなどを通じ、多くの人が集うコミュニティー拠点に。現在の所有者は尾日向梨沙さん。かつて祖父の竹重さんが所有していた同住宅について、尾日向さんは「幼い頃はよく庭を走り回っていた。まさに冒険だった」と回顧する。8年前に亡くなった祖母の淑子さんの代から続いていた地域との温かい交流も尾日向さんへと引き継がれている。
だが建物の老朽化は深刻な状況で、洋館部分の一部修繕だけでも3千万円以上の費用が見込まれることが分かり、資金を募ることを決意した。尾日向さんは「もう私だけのものではなく、地域に愛されている皆の場。古い建物が壊されて更地になる住宅も多いけれど、鳥やリス、メダカなどが棲む自然と鵠沼の空間を守っていきたい。建物を継承しながら持続可能な形で、次の50年へとつないでいければ」との思いを語った。
実施期間は11月30日(月)まで。「食べる松セット」や「100周年記念BOOK」などの返礼品も用意されている。支援はクラウドファンディングサイト「READYFOR」のページから「松の杜くげぬま」を検索。
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