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公開日:2026.08.28

藤沢市 大型公共事業11件「立ち止まる」 市民会館建て替えや中学給食全員実施も

  • 大型事業11件「立ち止まる」 (写真1)

 物価高騰や人件費の増加などの影響を受け、藤沢市は24日、市民会館の建て替えや中学校給食の全員実施など11件の大型公共事業を先送りする方針を明らかにした。そのまま事業を実施した場合、歳出が歳入を上回る財源不足は6年後に約235億円に達する見通し。事態を重く見た市は「苦渋の決断」を下した。事業の先送りで生じる歳出抑制効果は約139億円を見込むが、今後は財政状況を踏まえ、個別に再開時期を検討していく。

変化の早さ

 同日の市議会全員協議会で報告した。

 「立ち止まる」と先送りを表現した事業は、市民会館を含む9施設の機能を集約する生活・文化拠点再整備や、2030年度を目標に弁当か給食かの選択制から切り替える予定だった市立中学校給食の全員実施、藤沢駅周辺地区の再整備、鵠洋小学校や鵠沼市民センターの改築など、生活や教育環境に関わる計画のほか、石名坂環境事業所の新管理棟や遠藤葛原線の新設、モビリティハブ関連事業、長久保公園みどりの相談所や少年の森の整備工事など11件。

 市民会館建て替えの概算工事費は現時点で約255億円と見込まれているが、今後の物価上昇を踏まえると、30年度末に竣工した場合は約330〜340億円に膨れ上がり、関連費を加えると約370〜380億円になる見通し。

 この時期での先送りについて中山良平副市長は「生活・文化拠点の事業費が5月下旬に大きく膨らむことが明確になった。急激な物価や人件費の高騰を行政の想定以上に受ける中、早急で大胆な判断が必要とだった。全庁での会議を経て、立ち止まりと全員協議会での報告に至った」とした上で「行政が(変化の早さに)追いついていないのが現状」と説明した。

財源不足

 市内では高度経済成長期を中心に整備された300を超える公共施設の老朽化が進んでおり、再整備などが必要な一方、22年から建設費は2割以上増えた。市は国からの普通交付税を受け取らない不交付団体で、物価高対策や国施策の拡大に対する財源補てんが得られず、歳入の根幹となる市税など自主財源でまかなわなければならない。

 市税収入は、26年度見込みで過去最高の約904億円に達するなど表面上は堅調に見えるが、内実では「財政の硬直化」が急激に進んでいる。

 物価高に加え、昨年9月に発生したごみ処理施設「リサイクルプラザ藤沢」の火災復旧費に約30億円かかるなど突発的な負担も重なった。市は貯金にあたる財政調整基金の100億円以上の確保を適正としているが、大型公共事業の計画を見直しても、31年度に50・8億円の赤字に転落、32年度には185・1億円の不足に陥り、さらなる財政改革も迫られる。

選択と集中

 一方、市は将来的に税収入増につながるインフラ整備や生命、安全に直結する施設に財源を集中投下する方針も示した。

 最優先事業と位置付けた事業は、投資効果が期待できる村岡新駅周辺地区整備と健康と文化の森整備。また老朽化が顕著で市民の生命を守る基幹病院として喫緊の対応が必要な市民病院西館の再整備も、多額の財政負担を覚悟で進める。

 その後に開かれた行政改革等特別委員会では、121のサービスや事業を見直す案も報告した。改善、縮小、廃止、休止、移管、統合に分類。縮小では、市立明治保育園と市立小糸保育園の閉園や、障害者の医療費助成などがあった。これらの事業は市民の意見を踏まえて検討を進め、見直し可能な事業から27年度予算に反映していく。

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