3月18日に鎌倉芸術館で開催される「柞の森音楽祭」の実行委員長を務める 堀部 隆二さん 津在住 72歳
音楽の楽しさを教える
○…実行委員長と音楽総監督を務める第5回「柞(ははそ)の森音楽祭」が、3月18日(日)に鎌倉芸術館で開かれる。「地域の力で子どもたちを見つめ育てていこう」という趣旨で立ち上がったもので「子どもが大好きだから教えていて楽しい」と笑う。その音楽祭、昨年は東日本大震災の影響で中止に。「開催したかったが、電気が使えない状況だった」と1年前を振り返る。
○…「当日、来場者へお詫びと中止の報告をしなければ」と芸術館前と大船駅に立った。「公演中止を呼びかけるだけではなく募金をしては」と始めた活動が、1年間を通じて西ヶ谷団地をはじめ市内に避難する人たちへの支援活動へとつながった。今回の「柞の森合唱団」にはそのうち3人が参加。「なんともうれしい限り」と顔がほころぶ。「当日は市内に避難している方みんなに来て欲しい」と話す。
○…名古屋市生まれ。本格的に音楽に目覚めたのは大学で勧誘されたグリークラブ。「なんとなく始めたら面白くって。これにかけなきゃ男じゃない」と、大学を中退。改めて東京藝術大学に入り声楽を学んだ。卒業後「二期会」会員のテノール歌手として数々のコンサートやオペラに出演。清泉女学院中学高等学校では、音楽教師として長い間教鞭をとり教頭まで務めた。現在も「湘南アマデウス合唱団」など5団体の指導を行っている。「厳しいだけでは駄目。終わってから、『今日の練習楽しかったね』と思えるような指導を心掛けている」と言う。
○…大学の課題でカトリック教会の聖歌隊を勉強したことをきっかけに卒業後洗礼を受けた。教会でキリスト教教育を任された時期もあり「大きな経験になった」と語る。若い頃に熱中した社交ダンスは教師資格を、書道は大師流で「隆海」の雅号を持つ。「納得するまでやらないと気が済まない」性格だ。「歌う側も聴く側も楽しめて、人のためになるよう」との思いで音楽を教え続けている。