(株)銀の鈴社(市内雪ノ下)の創業者で現在、編集長の柴崎俊子さん(75)が(社)日本児童文芸家協会による「第51回児童文化功労賞」に選ばれた。5月24日(木)には都内で授賞式が行われる。
この功労賞は、1959年創設されたもので、児童文化の向上発展に対する長年の努力と功績を称えるもの。今年度は、柴崎さんを含め3人に贈られる。
柴崎さんは、長野県飯田市出身で都立白鴎高校を経て東京女子大学国語科を卒業。編集や出版とのかかわりは、戦争から奇跡的に復員したという父が、私財を投げ打って取り組んだ国語教師のための学会誌「解釈」の手伝い。父は文部省日本語教育審議会主事だった。
これまで編集を担当した主な作品には「上田敏全集」「川端康成の人間と芸術」などがある。「源氏物語英訳の研究」では毎日出版文化賞、他作品でも数多く賞を受けている。子ども向けのジュニアポエムシリーズは40年近く刊行する。
柴崎さんは、今回の功労賞を受け「正直、とまどいました」と話す。編集者は著者と読者をつなぐ仲介者であって、あくまでも「黒子(くろこ)」であるべきというのが持論。しかし、これまで手がけた作品の著者から祝福を受け、「これまでやってきたことへの評価。心の節目になる」と今は素直に受賞を喜んでいる。
児童文学は、子どもの感性を育てるためにも大切だと指摘する。「心が真っ白なうちに、良質な詩や文学にふれることは、感性を豊かにすることにつながります」その良質な児童文学を届けたいという使命感が自身を動かすようだ。
作家としての顔も
野の花画家「阿見みどり」としての顔も持つ。父の専門から万葉集に親しんできたこともあり、野に咲く草花を水彩で描き、「万葉野の花」の水彩画集や絵本、またそれらの文章も手がけている。2001年からは日本各地で個展も開催するなど活動の幅を広げている。
今後は、「日本文学の原点といえる『万葉集』。それを子どもに伝える作品を手がけたい」と語る。
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