鎌倉市議会は「議会基本条例」の制定に向けた準備を進めている。同条例は、議員や議会のあるべき姿を定めるほか情報公開について明文化するなど、「議会が担うべき役割を果たすために必要な基本的事項」を定めるもの。8年前から議論が続けられており、今年12月議会への議案提出を目標としている。2月1日(土)、2日(日)には市民と議員が直接語る初の「オープンミーティング」が市内5カ所で行われる。
鎌倉で議会基本条例の制定に向けた取り組みが始まったのは、2006年6月。条例の制定を視野に入れた「自治基本問題調査特別委員会」が設置され、地方自治の課題に議会がどう対処していくかについて、約2年をかけて調査研究を行った。
2009年10月以降は議会運営委員会で議論が続けられ、2012年7月に「議会基本条例骨子」を添えた最終答申が行われた。この答申を受けて同年9月、「議会基本条例の策定に関する調査特別委員会」が設置され、昨年2月に調査結果を本会議に報告。昨年4月の改選を経て、今期も条例制定に向けた議論を進めるため、昨年10月に「議会基本条例の制定に関する調査特別委員会」が設置された。
制定に向けて2月1日と2日の2日間、市内5カ所で「議員と語ろう!オープンミーティング」と題した市民と議員の対話の機会を設ける。
同特別委員会の高橋浩司委員長は「『市民と議会の関係』をテーマにした小グループによるディスカッションなので、お互いに胸襟を開いて話し合いたい。意見は条例案にも反映させたい」と話す。
今後は5月に「議会報告会」を2回開催。参加者の数など実施状況を踏まえて条例案を作成、法制チェック、パブリックコメントなどを経て、12月議会への議案提出を目指すとしている。
「より市民に近い議会に」特別委・高橋委員長に聞く
――「議会基本条例」の制定を目指す理由は。
「昨年行われた市議選や市長選では投票率の低さが問題となりました。選挙に行かない人は『白紙委任』をしたというより、『投票しても何も変わらない』という思いが強いと思います。
そういう意味でも市議会として、これまで以上に市民の皆さんと向き合う必要があります。議会として情報を発信し、市民の皆さんに意見を聞く場を設けるべきで、それをきちっと行うために条例が必要だと考えています。またこれまで慣例、慣習で行われてきたことを成文化することで、市民の皆さんに、議会の仕組みを分かりやすくすることも狙いです」
――昨年末には条例素案(案)がまとまり、市のホームページでも公開されています。
「鎌倉らしい部分を入れたいということで、1958年の平和都市宣言や1973年に制定された鎌倉市民憲章など鎌倉が市民自治に取り組んできた歴史について前文で触れました。特に市民憲章は、議会基本条例の精神をうたったような内容です。様々な人が関わって市民憲章を作ったという歴史の上に、今の鎌倉市と議会があるということを、市民の皆さんにも知っていただきたいと思います」
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