鎌倉市議会2月定例会は3月28日、閉会した。同定例会では、鎌倉市が10月実施を目指し提出していた、家庭系ごみ有料化のための条例改正案が議会から不備を指摘され、市が取り下げる事態となった。2015年3月末に今泉クリーンセンターの焼却停止を控えるなか、家庭系ごみの減量化と処理に関する道筋は不透明さを増している。
「有料化」条例改正案の集中的な審議を行った一般会計予算等審査特別委員会では「市が定期的に収集、運搬及び処分する家庭系一般廃棄物(規則で定めるものに限る。)を排出する場合は、規則で定める収集袋(以下「指定収集袋」という。)を使用しなければならない」と規定した部分に、意見が集中した。
有料化の対象となる「一般廃棄物」を首長の裁量で決定できる「規則」で定めるとしたことに加え、具体的な品目について「資料を作成中」として市が明らかにしなかったことから「市長に白紙委任するわけにはいかない」として議員が反発。さらに議会側が市の顧問弁護士3人に条例案に対する法的見解を求めたところ、不備が指摘された。
これを受け松尾崇市長は3月20日、同特別委員会の冒頭で条例改正案を取り下げる意向を表明。25日に条例改正案を取り下げ、一般会計予算案の修正案を議会に提出した。
10月実施困難に
鎌倉市では2015年3月末で今泉クリーンセンターが焼却を停止することから、家庭系ごみの排出量を名越クリーンセンターで処理が可能な3万トン以下にすることを目指している。
そのための切り札としてきたのが「戸別収集・有料化」だ。戸別収集で分別意識を徹底、有料化により排出を減少させることにより、約3500トンの削減を想定。市は当初、今年7月から同時に実施する方針を示していた。
しかし市が開催した説明会や10月に行われた市長選で異論が噴出。実施のために必要な条例改正案の昨年12月議会への提出を見送り、有料化だけを先行導入する改正案を2月定例会に提出していた。
収集袋の作成や市民への周知など事務手続きのスケジュールを考えると、6月定例議会への再提出では10月からの有料化実施は困難な状況。松尾市長は4月2日の定例会見で「現在、指摘を受けた部分について詳細を詰めているので、しかるべき時期に改めて議会に提出したい。臨時議会を開催するなどの方法もあり、10月実施の可能性も含めて引き続き検討している」と話した。
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