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鎌倉と源氏物語 〈第9回〉 甘縄はどこ? 松下禅尼が戻った実家の場所とは

掲載号:2016年9月9日号

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無量寺跡発掘調査の様子
無量寺跡発掘調査の様子

 「武士の都」として知られる鎌倉ですが、『源氏物語』と深い関係があることはあまり知られていません。文化薫る歴史を辿ります。

 江ノ電長谷駅を降り、広い通りを長谷寺と反対方向に歩いて行くと左手に甘縄神社があります。ここは鎌倉最古の由緒ある神社ですが、安達盛長邸があった場所として境内に碑が建っています。

 盛長は松下禅尼の祖父で、夫・時氏と死別して戻った実家がここでした。境内には後年、松下禅尼が懐妊した時頼の妻を預かり、第8代執権時宗の出産を助けた産湯の井戸もあります。ですが、よく考えてみると、鎌倉最古の神社=盛長邸というのは疑問の余地があり、盛長邸は別の場所にあったという説が最近では有力になってきました。では、その場所はどこなのでしょうか。

 2003年1月。扇ガ谷の無量寺谷で発掘された無量寺が、安達氏ゆかりの寺院と新聞で見て、現地説明会に行きました。寿福寺のほぼ背後にあたる小さな谷戸です。

 『吾妻鏡』の文永二年(1265年)六月三日の条に「秋田城介義景十三年忌仏事を無量寿院で行なった」とあります。義景は松下禅尼の兄です。『鎌倉廃寺事典』の無量寺の項には「金沢文庫古文書」に「相州鎌倉甘縄於無量寿院」「甘縄無量寿院」という記載も。鎌倉時代には現在の長谷から扇ガ谷まで「甘縄」だったと示すものです。

 松下禅尼の実家がどこにあったのかは今のところ謎に包まれたまま。今後の研究の進展に期待です。         織田百合子
 

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