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鎌倉 人物風土記

公開日:2023.06.09

鎌倉市観光協会の納涼うちわを描いた
神戸 勝史さん
藤沢市在住 37歳

一生成長できる

 ○…1977年の横山隆一さん以来、鎌倉ゆかりの画家や漫画家が手がけてきた鎌倉市観光協会「納涼うちわ」の絵柄。昨秋、48作目となる2023年版のオファーが舞い込んできた。鎌倉の夏-。故郷の思い出を蘇らせると、ハスにたどり着いた。小学校の友達と、家族と、妻と通った大船フラワーセンターで花を咲かせていた。清涼感を出すために睡蓮を題材にし、水面に起こる波紋、理想郷を連想させる星、「生き物もいると絵を見た人が感情移入してストーリーが生まれる」と金魚を加えた。6月6日に発売され、「うちわでみなさんの心が安らいでくれればうれしい」。

 ○…山崎生まれ。姉とともに、幼い頃から絵を描くのが好きだった。小学生の時にはさいか屋藤沢店で開かれた恐竜展に応募し、賞をもらったことが自信となった。湘南高校ではラグビー部で泥にまみれて青春を謳歌する一方、絵画への思いも消えていなかった。美術予備校講師の言葉が心に響く。「死ぬまで成長できるのが、美術のおもしろいところ」。日本画を専攻し、東京藝術大学の大学院まで進んだ。その後、予備校講師や高校での非常勤を経て、現在は日本画家と法政二高教諭の二足の草鞋を履く。

 ○…「美術の道を志したのは、旅行も影響しているかもしれない」。社会科教諭だった父は、各地の歴史や異文化に触れるため家族旅行を次々と計画。47都道府県は中学までに制覇し、アメリカや中国にも。自身でも約30カ国を巡り、「インドで見かけた鮮やかなサリーが美しかった」と心動かされた。

 ○…2年前から自身の作品をSNSのインスタグラムで紹介すると、外国人から興味を寄せられるようになった。いつか海外でも活動できたら。まだまだ成長する。

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