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鎌倉 社会

公開日:2025.10.10

連載 vol.5鎌倉の未来 紡ぐ視点
市民活動は地域の元気
鎌倉市市民活動センター 渥美 貴司 センター長

 鎌倉市のこれからのまちづくりについて、経済、観光、医療、スポーツ、学生、地域活動など、さまざまな分野の団体にインタビューする連載企画。第5回は、鎌倉市市民活動センターの渥美貴司センター長=写真=に「地域活動」を軸に話を聞いた。

 環境や福祉、子育てなど、多種多様な市民活動団体がある鎌倉市。現在、340を超える団体が所属する同センターでは、団体間の交流や活動のサポートなど、縁の下の力持ちとして日々尽力する。

 鎌倉市の人口は約17万人。同規模の他自治体に比べて「市民活動団体の数は多いですし、皆さんとても活発です」と渥美センター長。近年注目を集める人工知能(AI)の見識を深めてもらおうと同センターで企画したチャットGPTのセミナーでは、定員に対して2倍近い申し込みがあり急遽2部制にしたという。「まちづくりに市民が積極的に参加してくれている意識の高さですね」と語る。

ワンストップの窓口を

 市民活動では、行政と連携することもあるが、よりスムーズに支援するために、渥美センター長は「横断的な組織体制」の必要性を訴える。「例えば子育て支援の団体さんが『この内容は教育委員会』『こっちは市民保健課』と複数の窓口を訪ね歩くことがある。市民活動の内容は各課にまたがるケースが多い。一本化された窓口があれば」と理想を描く。

 また、同センターでは市と連携し、設立間もないスタートアップの団体や、地域課題を解決する団体、市との協働事業を行う団体などに「つながる鎌倉エール事業」として補助金や負担金を交付している。市民活動の多くはボランティアであり、「協力してくれた人にお茶やお弁当だけでも出したいのに、予算がなくてできない」という悩みの声もある。「補助金の総額を増やしてもらえたら、採択できる団体の範囲がもっと広がる」

 市民活動は、地域の元気を示す指標でもある。高齢化や後継者不足などに悩む団体も多いが、「先日、若い人が『環境保全の団体を教えてほしい』と訪ねてきました。今や市民活動は高齢者だけでなく、幅広い世代の人に関心がある。もっと可能性を開拓できたら」と言葉に力をこめる。

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