中原区 人物風土記
公開日:2026.04.10
音楽家で、0歳から楽しめるクラシックコンサートを中原市民館で開催した 蛭子 明子(さやこ)さん 井田在住
音楽でつくる「幸せな時間」
○…先月、中原区民館でひとつのオーケストラ公演が幕を閉じた。0歳から楽しめるクラシックコンサートの主催者として「ありきたりの言い方だけど、本当に満足」と晴れやかな表情で振り返る。今回の公演は、自身の長年の夢だった「フルオーケストラ」での開催。ピアノの代用ではない、作曲家が指定した本物の楽器が奏でる響きに、改めて音楽の持つ本来の意味を噛み締めた。
○…ステージを支えたのは、公募で集まった学生やリサイタルができる実力を持つエキストラ奏者たち。多忙な学生らは自宅で必死に練習を重ね、打楽器奏者として参加した障害のある学生の一人は見事な演奏を披露した。「公演後に『今まで自分のために弾いてきたが、音楽をやる意味が初めてわかった』という彼らから漏れたこの言葉が、この活動の本質を物語っていると思うの」
○…活動を始めたきっかけは、自身の苦い経験にある。声楽家の母を持ち、物心がつく前からピアノに触れてきたが、思春期にはストイックすぎる練習に疲れ果て、「辞めたい」と葛藤したこともある。転機は中学生の時、テレビで見た障害者施設の光景だった。名指揮者の演奏に涙し、心から音楽を楽しむ子どもたちの姿に、テクニックではない「心に届く音楽」の姿に衝撃を受けた。
○…公演や指導など、多忙な毎日の息抜きは読書。鎌倉の緑に囲まれた静かなカフェで、愛犬と一緒に本を読みながら過ごす時間を大切にする。将来的に目指しているのは、奏者と観客が双方向に響き合う「循環」だ。「コンサートは、みんなが幸せにならなければいけない空間」。かつて音楽を楽しめなかった少女は今、誰もが「楽しい」と思える場所をつくり出し、地域に確かな幸せの音色を響かせている。
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