いずれも国史跡の「下寺尾官衙遺跡群」と「下寺尾西方遺跡」について、指定範囲が拡大される見通しとなった。両遺跡は古代律令制時代や弥生時代中期の重要な遺跡として知られており、今後の調査・研究で新たな資料の発見も期待できそうだ。
昨年12月16日に開かれた国の文化審議会で答申が出されたもので、今後、文部科学大臣による官報告示を経て、正式に指定される予定だ。
下寺尾官衙遺跡群は、古代律令制によって茅ヶ崎市や藤沢市、相模原市などを範囲とした相模国高座郡(たかくらぐん)の郡家(ぐうけ)(現在の官庁にあたる施設)があった場所と推定されている。周辺では寺や船着き場、祭祀場なども発見されており、2015年3月に国史跡となった。今回追加される場所と合わせると、総面積が6万301平方メートルになる。
また下寺尾西方遺跡は、弥生時代中期(今から約2000年前)によくみられる環濠集落(深い濠を巡らせた集落)の跡で、南関東最大級の規模となる。
土器以外に石器や鉄器も出土しており、道具の変遷など、当時の社会状況を知るうえで重要な遺跡と評価されている。
19年に国史跡に指定。今回の追加エリアと合わせると総面積は4万9754平方メートルとなる。
今回の追加指定は、それぞれの遺跡に隣接する場所にも、高座郡家や環濠集落に関わる遺跡が存在している可能性が高い、と認められたことから行われた。市社会教育課では「今後は地権者の同意を得ながら指定地を公有地化し、調査・研究や保存・活用を進めていきたい」と話している。
|
<PR>
茅ヶ崎版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|