小田原版 掲載号:2017年11月25日号
  • googleplus
  • LINE

外郎家25代当主「藤右衛門」を襲名した 外郎(ういろう) 藤右衛門(とうえもん)さん 本町在住 55歳

継承と挑戦のスピリッツ

 ○…起源は室町時代、5代目定治が北条早雲の招きにより小田原に赴いてから500年を数える県内最古の商家「ういろう」。当主が受け継いできた名に「まだ重いですね」。穏やかな眼差しの奥に、強い決意がにじむ。「地域の皆様のお蔭で歴史を重ねてこられました。時代を超えた恩返しができるよう、精進していきたい」

 ○…先代当主は伯父にあたる。幼いころから親に連れられお店に遊びに来ては、値札を入れ替えてしまういたずらっ子。学生時代にアルバイトもしていたが、「まさか自分が当主になるとは思ってもみなかった」という。外郎家の継承者として白羽の矢が立ったのは43歳のとき。都内で妻と2人の子どもの4人暮らし、銀行員として企画・マネジメントの業務に心血を注いでいた。充実した人生に突然迎えた大きな岐路。一度は断ったものの、先代から何度も懇願され、「人助けになるなら」と腹を決めた。

 ○…「人を支えたい」という思いが原動力。一度決めたことは方向を曲げない。「侍みたいな人」と評されることも多い。当主見習いとして店頭に立つも、何かが物足りない。「会社の経営はできても、薬のういろうを守れるのか」と考え、出した答えは45歳で薬剤師を目指すこと。周囲の反対を押し切り横浜薬科大学に入学した。文系出身で「ヒマラヤに素人が登山するようなものだった」と笑ってみせるが、6年間無遅刻・無欠席、首席で卒業し、国家試験にも合格した。

 ○…「ここは観光地。老舗をうまく活用できれば」と、蔵に博物館をつくったり、駅伝や祭りの際に和太鼓を披露したりと、小田原のために幅広く活動する。観光協会の副会長として、時に歯に衣着せぬ物言いも、地域への思いがあってこそ。息抜きは、望遠レンズで鳥を撮るときなのだとか。カメラを手にお堀端を歩く姿は、無邪気な少年のよう。私利私欲をまったく感じない、自然体の笑顔が魅力の挑戦者だ。

小田原版の人物風土記最新6件

田中 邦岳さん

県優良小規模企業者表彰を受けた(有)新玉製作所の社長を務める

田中 邦岳さん

2月24日号

津川 真人さん

日本リトルシニア全国選抜野球大会に導いた

津川 真人さん

2月17日号

山川 太郎さん

湘南ベルマーレフットサルクラブのサポーター代表を務める

山川 太郎さん

2月10日号

荒木 信広さん

10代の悩み相談室の開設に向けて準備を進めている

荒木 信広さん

2月3日号

青木 真美さん

2017年度青年海外協力隊3次隊員としてウガンダに派遣された

青木 真美さん

1月27日号

鈴木 智明さん

20周年を迎えた神奈川県立生命の星・地球博物館友の会の会長を務める

鈴木 智明さん

1月20日号

小田原版の関連リンク

あっとほーむデスク

小田原版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

丹下邸を3分の1で再現

丹下邸を3分の1で再現

25日(日) 加工ワークショップ

2月25日~2月25日

小田原版のイベント一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2018年2月24日号

お問い合わせ

外部リンク