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藤沢 文化

公開日:2026.07.17

元南極越冬隊・岡本さん 「1分1秒を大切に」 明治市民センターで出前授業

  • 【1】オーロラを映すスクリーン【2】防寒具を着る女児【3】岡本さん(左)から強風を受ける職員

    【1】オーロラを映すスクリーン【2】防寒具を着る女児【3】岡本さん(左)から強風を受ける職員

 夢と希望、地球の今を伝える出前授業「南極クラス」が11日、明治市民センターであった。講師は、第66次南極地域観測隊越冬隊として2024年11月から26年3月まで約1年4カ月、過酷な任務をこなし帰国した大工の岡本裕司さん(44)。ドラマチックな体験談の数々に、集まった親子約30組が引き込まれた。

 俳優の故・高倉健主演の映画『南極物語』の舞台となった昭和基地は、ミサワホームが手がけている。同社は1968年から南極事業に携わり、高い断熱性と堅牢性を備えたプレハブ建物を累計約37棟建設してきた。建物の建設や維持管理を行うため、大工などの社員を観測隊員として南極へ派遣。南極クラスは2011年から始まり、帰国後の隊員が全国で講演活動に従事している。

出会いとヒント

 日本のように重機や大工仲間がいるわけではなく、建物を建てる現場に岡本さんただ一人だった。孤独な作業に当初は頭を悩ませたが、それを救ったのが観測隊の仲間だった。「学校の先生やお医者さん、調理師、気象予報士、建築とは関係のない人が手伝ってくれた。みんなで一つのことを成し遂げるのが楽しかった」と振り返る。

 南極の風を再現する強力な送風機の体験では、参加した職員が「口が乾いて喋れない」と絶叫。満天の星空にまたたく天の川や夜空をカーテンのように彩る美しいオーロラの映像がスクリーンに映し出されると、神秘的な静寂に包まれた。

 防寒具の着用体験やユニークなクイズも飛び出した。マイナス30度の中で沸騰したお湯をまくと一瞬で真っ白な霧へと姿を変える現象、凍って釘が打てるようになったバナナ、2万年前の氷を使った極寒の流しそうめんなど、驚きのエピソードに歓声が上がった。

 最後に岡本さんは「1分1秒の行動の速さを大事に」といい、出会いの重要性と、そこでヒントを得るよう促した。「南極へ行けたのは即座に行動したから。身近なチャンスをつかめるかは広い視野と好奇心次第。何にでも興味を持って挑戦してほしい」とエールを送ると、会場は割れんばかりの拍手で沸いた。

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