小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2025.03.22
気象予報士として「NHKニュース7」の気象情報を担当する
向笠 康二郎さん
湯河原町出身 38歳
正しく、時々自分の言葉で
○…NHK総合テレビで毎日午後7時から放送中の報道番組「NHKニュース7」の気象情報を土日祝に担当し、5年目を迎える。全国の天気を伝える立場として、常に意識するのは主要都市に限らず、地方にも目を向けること。「強風や大雨など同じ現象が全国で起きている時は、正しく注意を伝えることが必要」。穏やかな語り口に責任感をにじませる。
○…「台風や雪が降って学校が休みになってうれしかった」。非日常の風景に引かれ、小学校低学年から天気予報のチェックが日課に。小田原高校を卒業後、気象予報士に必要な知識を学べる北海道大学理学部地球物理学科に進学。大学院まで進み、2回目の挑戦で資格を取得するも、気象会社の就職活動は叶わずシステムエンジニアを選んだ。
○…社会人2年目の春に転機が訪れた。友達と今後について語った時、「今の仕事は楽しいけど、向上心がわかない。それなら、気象キャスターを目指そう」。行動に迷いはなく、気象予報士の肩書きが付いた名刺を作り、気象キャスターと交流できる場に積極的に参加。名前を売り続けたことで、現在の所属会社の社長から声が掛かった。2年間の下積みを経て、2015年にNHK水戸放送局に合格。初めは「自分なんかがテレビに出ていいのかという不安もありました」。今では「たまに声をかけられる」と笑顔を見せた。
○…視聴者の中には天気予報だけに限らず、気象現象に関心を持つ人もいる。「背景にある”なぜ”をわかりやすく伝えることを意識しています」。平日は、後輩や気象キャスターを志す人の指導にもあたる。「情報を正確に伝えるだけでなく、自分の言葉でわかりやすく伝える大切さも教えています」
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