秦野版 掲載号:2012年5月19日号
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秦野の茶「今年も安全」 新基準値を下回り無事出荷へ

収穫される今年の新茶
収穫される今年の新茶

 放射性物質の影響からの復活を目指す、神奈川県産のお茶。県は5月9日に秦野市内で摘み取った新茶の放射性物質の検査結果を発表し、新基準値を下回ったために安全が確認され、出荷が無事に決まった。

 昨年、県産の茶葉は秦野市、開成町で出荷できたものの、他の市町村では放射性物質の影響で出荷を断念した。そのため県産茶のブランド「足柄茶」の製造量は確保できず、風味が似ている鹿児島産の茶葉とのブレンド品「足柄仕立て」を販売。売上低下やブランドイメージのマイナスといった苦境に立たされていた。

 今年の検査では摘み取った茶葉を荒茶に加工後、10グラムの茶葉を300ミリリットルの湯で抽出して飲用状態にし、放射性物質の濃度を調べた。茶葉は自治体ごとに3カ所で生育されたものを調査。秦野は菩提、横野、東の3地区で、全てで基準値を下回ると出荷可能となる。今回適用された新基準値は、飲用できる状態で1kgあたり10ベクレル以下(昨年の基準値は荒茶の状態で1kgあたり500ベクレル以下)。秦野は同1・6ベクレル〜2・2ベクレル未満で、全地点で新基準値を下回り、安全が確認された。

 生産者が今年に賭ける想いは強い。昨年の出荷制限後、県内の各産地では茶葉の葉を刈り取る「深刈り」を実施。菩提で高梨茶園を経営する高梨孝さんは「放射性物質は葉への吸収が多い。出荷制限が無かった秦野でも夏に葉がほぼ無い状態まで刈り込み、しっかり除染をした」と振り返る。

 市内の茶畑では収穫もピークを迎えている。一番茶は間もなく山北町の県農協茶業センターで製品化されるほか、各茶園では直売も始まった。「昨年は長年かけて消費者と築き上げてきた信頼が崩れかけてしまい、悲しかった。消費者あっての生産者なので、検査結果をしっかり公表することが重要」と高梨さん。「今年は気候に恵まれ、質の良いお茶が出来た。安心して美味しいお茶を買ってもらいたい」と笑みを見せた。
 

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