洗足学園音楽大学の職員で、今月26日から始まる学園祭を取りまとめる 四谷 美智子さん 市内在住 38歳
「母の愛情」で学園祭支える
○…洗足学園音楽大学の伝統行事・学園祭。今年は冬の音楽祭に加え「希望と絆―東北とともに―」をテーマに被災遺児らを支援するウィンター・フェスタも同時開催する。4万人の集客を目指す今回は、学生がジャズなどを披露するほか、模擬店計18軒を出店し、祭典に彩を添える。「心も体もフル回転させて、充実感ある学園祭にしてほしい」。企画の募集や学生の相談役などをこなし、実現に向け奔走する若者たちを「母親」のように支えている。
○…藤沢市の出身。6歳でピアノを始めると、クラシック曲の優美な旋律に次第に惹かれ、中学3年で音楽大学進学を決意。レッスンを受ける中で、生涯の恩師となる清田千壽子さんに出会った。洗足学園大学(当時)への入学は、精神的な支えである清田さんが同大学でピアノを教えているから。卒業後に進んだ専攻科で難曲に挑戦し、苦しんでいたころ、恩師から一通の年賀状が舞い込んだ。「手が痛くなるほど弾き、耳が痛くなるほど聴き、頭が痛くなるほど考えなさい」。強烈に心が震え、迷いを打ち消すように奮い立った。「やるだけやってみよう」。結果は見事合格だった。現在も教壇に立つ恩師とは、今でも学内で顔を合わせる。
○…「好きな曲はショパンの『バラード4番』。聞くと学生時代の情熱が甦ってくる」と述懐する現在は、2児の母として子育てと仕事を両立している。趣味は園芸。自宅のベランダで育てたブルーベリーの実を息子2人と味わった思い出話に、ふっと母の顔に戻る。尊敬する人物を尋ねると「母親」と即答。「母は身を削って私を育ててくれた。愛情をかけてくれた母をお手本に、子どもたちを育てていきたい」
○…現在は同大学の事務職員として多くの後輩たちの課外活動の準備などにあたっている。入職の理由は、大学に「恩返ししたい気持ちがあった」から。これからも穏やかな笑顔で学生を支え続けていく。
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4月26日