藤嶺学園 鵠沼高校の校長に就任した 今井 正男さん 横浜市瀬谷区在住 59歳
「一を聞いて十を知れ」
○…前身の鵠沼女子高から数え、7代目となる校長として4月に就任。管理職になる以前は、バドミントン部の顧問として18回関東大会出場という輝かしい成績を培った。「理事評議委員会から校長就任の打診が来たときには、バドミントンの活動と縁を切ることが何よりつらかった」と語るほどに、その想いは深い。しかし「自分がいつまでも見ていたら、後進のためにもならないからね」と潔く身を引いた。
○…始業式で生徒たちにふたつの言葉を贈った。「ひとつは勉強と部活の両立。学生だから勉学はもちろん、部活の過程で忍耐や達成感も学んでほしい」。それによって生きる力も養われるというのがその理由。「もうひとつは、一を聞いて十を知れ。単に目の前の出来事だけでなく、その背景や先まで見通す力を磨くこと」と力強く話す。
○…横浜市戸塚区に生まれ、中学からは瀬谷区三ツ境で過ごす。幼い頃から運動好きで、巨人の長嶋茂雄選手に憧れ野球をやりたかったという。しかし3期生として入学した柏陽高校には、野球部がなかったため、縁あって出会ったバドミントンに青春を捧げることに。「いろいろ学ばせてもらったし、やってみると奥があると感じたから」と、給費生として進学した札幌大学ではオール優が条件だったが「練習に夢中で良がひとつだけあって」と給費生を諦め、バドミントンに打ち込んだ。以来、英語教諭と顧問に加え、日本でも数少ない公認国際審判員として活躍してきた。「オリンピックの審判が目標だったけど、仕事柄難しかったな」と悔しそうに振り返る。
○…毎朝6時過ぎに出勤するだけでなく、休日も大半を学校で過ごす。「上が変われば教員も生徒も変わり、やがて学校も変わる」との信念からだ。「正直たまにはストレスもあるけど」と笑うが、自分の道に誠実な教育者の顔だった。
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