青葉区 社会
公開日:2026.07.16
外国人実習生が企業貢献 技術学び互いに成長
日本国内で深刻化する労働力不足。解決策の一つとして注目されているのが外国人労働者の存在だ。青葉区内には、1600人以上の外国人労働者が在留している(2020年10月1日国勢調査より)。時代に先駆け27年前から外国人技能実習生の受け入れを続けている地元企業「(株)大久保恒産」(鴨志田町)に現状を聞いた。
3カ国19人が在籍
1968年に創業した同社は、「足場工事」を中心とした仮設工事を手掛ける。国が国際貢献を目的に、外国人が日本の技術を学ぶ「外国人技能実習制度」を93年に創設したことをきっかけに、99年から受け入れを開始した。
現在、20〜30代を中心とする19人の技能実習生が在籍している。内訳は中国7人、インドネシア7人、ミャンマー5人。当初は中国からの受け入れで始まったが、近年は「日本よりも他国の方が給与が高い」と、中国人が他国へ出稼ぎに行くケースが増えたため、東南アジア諸国へと窓口が広がっている。
実習生は入国後、まず外部施設で1カ月間の研修を受け、日本語のほか日本の習慣や労働法などを学ぶ。その後、同社で現場に入る前に足場組み立ての特別教育やフルハーネス(墜落制止用器具)の講習を受け、即戦力としてスタートを切る。作業日は、朝7時の出勤から始まり、材料の積み込みを経て午前・午後で2現場をこなし、夕方5時に帰社する。
1年目の終わりには日本語テストを含む足場組立検定、2年目の終わりには難易度が上がる足場組立検定を受ける。これらをクリアし、3年間の実習を終えて帰国する。
文化・習慣の違い
社内で「番頭」と呼ばれる実習生のまとめ役であり、現場への割り振りを担う窓口でもある工事課の松林良磨さん(33)は、実習生たちの生活と業務を今年から統括している。「体力的にも大変な仕事。暑さ寒さの中、言葉が通じなくても必死に頑張ってくれている。みんな自立していて志が高く、あいさつもしっかりできる。先輩が後輩の面倒を見る良い循環があるのは、長く積み重ねてきた歴史があるからこそ」と目を細める。
外国人にとっては、日本で住宅を確保することはまだ難しい。そんな中で同社は、寮や社宅を用意している。だが、文化や習慣の違いによる苦労も少なくない。「社員が社宅を点検した際、トイの水を流していない、冷蔵庫に鳥を丸々入れていたなんてこともあった」と松林さん。社員が実習生の母国語で注意点を書いた紙を貼り出すなどして対応した。
言葉の壁にも直面する。「夏のやかんはどこですか?」と聞かれ、「水筒」のことだと気づくまで時間がかかったというエピソードを、松林さんは苦笑いで振り返る。体調を崩した実習生を病院へ連れて行くなど、私生活のサポートも欠かせない。30代後半の実習生・劉兆斌(りゅうちょうひん)さんは「社員の方が優しいのでありがたい。これからもがんばりたい」と意欲を見せる。
同社の名田英典代表取締役社長は実習生に対して「どんな環境でも現場に行き、技術を覚え、弊社に貢献してくれます」と頼りにしている。人手不足という自社の課題を解消しつつ、実習生の夢に伴走する同社の取り組みは、これからの地域社会と外国人の共生のあり方を示している。
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