２０１３年の再開発ビルオープンを皮切りに、文化拠点「みどりアートパーク」の開館、２０１５年には北口駅前広場・歩行者デッキが完成するなどここ数年で大きな変化を見せる街「長津田」。古くから宿場町として栄え、多くの人々の熱気と夢をのせ発展してきたこの街の魅力を探る。
江戸時代初期、旧大山街道の宿場町として栄え、多くの旅人をもてなしてきた「長津田」。今も長津田５丁目には宿場の入り口に旅人達の”道しるべ”となった常夜燈が建ちそっと歴史を物語っている（＝写真１）。
矢倉沢往還（国道２４６号／東名高速道路／東急田園都市線）と神奈川道（都市計画道路山下長津田線／ＪＲ横浜線）の結節地として活気にあふれ、発展を続けてきたこの街が今、再び時代の転換点を迎え、更なる発展に向け動き出している。
◇ ◇ ◇
２０１３年には北口駅前のシンボルにもなっている「長津田マークタウン」が完成。住居棟・商業棟からなる一大タワーのオープンには、それまで北口再開発に力を注いできた地元住民など多くの関係者が集まり、北口の”新たな船出”を祝った。
「文化を発信する街に」
「人々の生活に息づく文化の発信をここ長津田から」――。北口の再開発には当初から文化拠点の整備が盛り込まれた。緑区民文化センターとして同年にオープンした「みどりアートパーク」だ。３４２席ある音楽ホールを有し、その他練習室や貸スペースなど音楽・文化活動を支える一大拠点として、地域の文化をけん引する存在になっている。同所のホワイエ（休憩室）には再開発で姿を消した「旧長津田公園」のケヤキと桜の木を利用したアートワーク（＝写真２）が飾られ、これには多くの周辺小学校の児童が参加して製作にあたった。アートワークには『長津田の記憶を次の世代へ伝える』という思いが込められているという。
その後も北口に初めて誕生した駅前広場（＝写真３）歩行デッキ、エスカレーター増設（＝写真４）など次々に整備された。
昨年９月には長津田から浜松・名古屋行の往復深夜バスが運行を開始した。これにより東京や新横浜を経由して新幹線に乗り継ぐ必要なく、名古屋などの大都市へアクセスできるようになった。
「子育て世代に優しい街に」
ハード面での再開発が次々と進む中、忘れてならないのが、そこで生きる人々の「地域愛」「地元への熱い思い」だ。長津田自治連合会の井上敏正会長は「近隣のまちがどんどん再開発される中、長津田はのどかな空気を残してきた。今後環境が変わっても子どもが望むようなまちになってほしい」と胸の内を明かす。
長津田駅周辺の商店などからなる長津田商店街協同組合の中山勲理事長は「この街に住む人々が商店街を育ててくれた。これからは恩返しの時。商店街としても街づくりをできる限り応援したい。特に子育て世代は応援したいね」と話す。
同商店街では自身の商店街会館を整備する際、建てたビルのテナントに保育園を積極的に迎え入れるなど、子育て世代を応援する商店街としての個性を打ち出している。
また、再開発に住民の声を反映させるべく30数年もの間活動してきた「長津田駅北側まちづくり協議会」の土志田領司会長は「長津田を少しでも住みよい街にと多くの人が街づくりを見守ってきた。長津田の良いところは何と言っても”人”。住んで良かったと思ってもらえる街にしていきたい」と熱く語る。
「地域交流の深い街に」
長津田では地域住民主体のイベントも多数行われている。７月３日には長津田商店街協同組合主催の「長津田ふれあいサマーフェスタ２０１６」が開催され、大きな賑わいを見せた。当日は、大道芸やマジックショーなどが来場者を楽しませた。今年から盛り込まれた「むつみ幼稚園・ぽっけのおへや園児による発表会」では園児たちが元気にダンスを披露し、来場者が笑顔で拍手を送った。
このまつりは旧マルエツ駐車場で夕市・ビアガーデンとして産声をあげ、長年「長津田の夏の風物詩」として親しまれている。３年前北口駅前広場ができてからは同所で行われている。
イベントの実行役員を務めた田村紘一さんは「例年大勢の人が来てくれる。今後も続けて、長津田の夏を盛り上げたい」と話した。
|
|
|
|
|
緑区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
＜PR＞
