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港北区 文化

公開日:2026.11.06

【大倉山記念館】ドローンや360度カメラで映像化―年内Web公開へ

  • 360度カメラで撮影された書庫内の映像を解説する平井理事長

    360度カメラで撮影された書庫内の映像を解説する平井理事長

  • 3Dプリンターで作られたミニチュア大倉山記念館

    3Dプリンターで作られたミニチュア大倉山記念館

 横浜市大倉山記念館で11月2日、ドローンや360度カメラを使って館内外を撮影した映像の上映会およびトークショーが開催された。開催中の「大倉山秋の芸術祭」の企画として行われ、普段は立ち入ることのできない書庫内部や上空からの映像などが一般に向けて初めて公開された。

 同館は、実業家の大倉邦彦氏によって1932年に設立された「大倉精神文化研究所」の本館として竣工した歴史を持つ。東西の文化が融合した重厚な近代建築として親しまれており、現在は市民の文化活動拠点として利用されている一方で、同研究所が現在も館内で研究活動や附属図書館の運営を続けている。

文化財の姿を記録、1月と10月に撮影

 今回の映像化は、歴史的建築の全容をデジタルアーカイブとして後世に残すとともに、地上からは見えない屋根や非公開エリアを可視化し、来館が難しい人にも魅力を届ける目的で企画された。一般社団法人横浜市建築士事務所協会の有志による「建物デジタル診断研究会」(内山岳彦代表)らによって、今年1月と10月19日にドローン調査や点群データの計測、360度撮影が実施された。

 当日の上映会では、約100年前の建設当時の記録映像(無声)や、同研究所創設者・大倉氏の肉声テープを交えた館内案内映像に続き、最新の撮影データが披露された。ドローンが館内を進み、通常は職員以外立ち入れない「閉架書庫」の5階から1階へと巡る様子や、地上約140メートルの上空から周囲360度を見渡す眺望映像などがスクリーンに映し出された。

 また会場では、ドローンデータをもとに3Dプリンターで作られた大倉山記念館のミニチュア模型も登場。来場者の間で手渡しで回される時間も設けられ、屋根や細部の複雑な形状などを間近で確かめようと、参加者全員が興味深そうに見入っていた。

 客席で熱心に鑑賞していた大倉山在住の80代女性は、「私自身、建築の仕事に携わってきたこともあり、大倉さんのご生家とのご縁などもあって建物を見てみようと思いました。ここに住んで40年以上になりますが、ただ訪れるだけでなく、どういう歴史でできたのかを深く学びたいと思って足を運びました」と笑顔で話した。

文化財の魅力を未来へ

 ドローン操縦・撮影を担当した合同会社INVAPL(インバプル)の三嶋滋憲代表は、「子どもたちが『ドローンが飛んでる!』と喜んでくれる姿を見て、大きなやりがいを感じました。建築に携わる人間としても、映像として記録を残すことで後世の子どもたちに伝えていきたいですし、お体が不自由で現地に来られないような方にも施設の中を体感してもらえる映像になれば」と語る。

 同研究所の平井誠二理事長は、「普段は関係者以外お断りしている閉架書庫なども含め、1日かけてドローンを飛ばして内外をくまなく撮影していただき、見応えのある映像になりました。今回は最初のお披露目となりましたが、クレジットの調整などを経て、年内には研究所のホームページで公開予定です。その後は地域の映像ライブラリーなどで広く一般に公開できればと考えています」と今後の展望を話した。

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