精神障害者に運動の機会と交流の場を提供しようと12月1日(日)、バスケットボール体験教室が北山田地区センター=北山田2の25の1=で開催される。教室は地元企業のコミュニティ「まちbizつづき」の関係者や障害当時者が参加するバスケットボールクラブなどが協力し、実現した。
教室を企画したのは地域密着型のコミュニティ「まちbizつづき」に所属する松川弘也さん(58)。松川さんは以前勤務していたプロスポーツクラブで社会貢献活動の担当者として、児童養護施設の子どもたちを試合に招待するなど、スポーツを通じた社会貢献活動に取り組んでいた。活動の中で、松川さんは「障害を個性と考え、障害の有無にとらわれずバスケットボールを楽しんでもらえる場を提供できないか」と考え、教室の開催を企画したという。
回復の要素豊富
教室の開催にあたり、松川さんが協力を仰いだのが障害の有無関係なく誰でも参加できるチーム「横浜フラットヘッド(FH)=金沢区=」。
代表の田村大幸(ひろゆき)さん(48)は、30歳の時に双極性障害(躁うつ病)を発症。中学から続けていたバスケットボールができなくなってしまった経験を持つ。
当時、病気の関係で仕事が長続きしなかったという田村さん。就労移行支援施設に通い、同じ精神疾患の悩みを持つ仲間とつながったことで、自らの障害を受容するきっかけになったという。徐々に回復する中で、障害者の中にも「運動したい」という声があることを実感。自身も病気になるまでバスケットボールを続けていたことから、精神障害者でも参加できる場所を探していたところ、NPO法人日本ソーシャルバスケットボール協会(JSBA)を見つけ、参加した。「障害者でも運動できる場所を」と知人と一緒に横浜FHを発足。4年前には自身の経験を活かし、自ら就労移行支援事業所を立ち上げ、同じ障害で悩む人たちをサポートしている。
「スポーツは体力向上だけでなく、コミュニケーション能力も必要とする。また、できないことができるようになることで自己肯定感を高められるなど、精神的な回復に必要な要素がたくさんある」と田村さんはスポーツの効果について語る。
元プロも協力
田村さんは、松川さんからの要請に快諾。教室の開催が実現した。当日は、横浜FHに加え、204cmの長身で、日本代表でも活躍した元プロバスケットボールプレーヤーの伊藤俊亮さん(45)がコーチとして参加する。
伊藤さんは現在、フリーで競技の普及のため、学校訪問などを続けている。今回は松川さんとの縁で参加を決めた。「現役を離れた今だからできる事があるのでは」と意義を語る伊藤さん。「スポーツの中で最も得点シーンが多いバスケットボールは、誰もが主人公になりやすいスポーツ。競技への挑戦はもちろん、挑戦した前向きな気持ちを今後につなげてもらえれば」と期待を込めた。
未経験・初心者のみ
教室の参加対象は、精神障害・疾患のある人、および支援者または活動に理解のある人。定員20人。時間は午前10時から正午。参加費は保険代など500円。
申込み・問合せは同センター【電話】045・593・8200へ。
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