全国に点在する松尾芭蕉の句碑を紹介した「私の芭蕉・句碑紀行」を市内在住の浜田建治さん(81歳)がこのほど刊行した。出版は公孫樹舎から、A5判・オールカラーの370ページ。3000円+税。
20年ほどかけて全国にある約1万6000基の文学碑を訪ねてきた浜田さん。2012年には県内の文学碑をまとめた「神奈川の文学碑」を自費出版し、今回はそれに次ぐ2冊目という。
「文学碑の中で芭蕉さんの碑が圧倒的に多い」と浜田さん。芭蕉の句碑は全国に3000基ほどあり、そのうち1200基を訪ねたという。句碑は江戸時代に建立されたものが4割と最も多い。
同書では『奥の細道』など芭蕉の五大紀行に触れ、関連する句碑を紹介しているほか、句碑を巡る浜田さん自身の紀行なども収録した。「同じ句でも各地に碑がある。その縁を探るのも面白い」
頭と足を使って
文学好きだった浜田さんは定年退職後の趣味として「文学碑」に目をつけ、「隠居生活を有意義にするには、フィールドワークとデスクワークが大切」とその探訪記録をホームページにまとめるように。以来、友人や妻と共に全国の文学碑を訪ねている。
文学碑は作者や作品に縁のある地にあることが多く、現地の景色などにふれて作品の理解を深めるのが醍醐味という。「映画やアニメのファンがその作品の舞台を訪れるのと同じですよ」と笑顔を見せる。
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