4月1日、戸塚区の新区長に就任した吉泉英紀氏(58)に、本紙はインタビューを行った。区長は区制80周年の節目の年に舵取りを担う責任の重さとやりがい、区の現状や魅力、今年度取り組む防災・減災対策などを語った。
吉泉区長は1983年に横浜市役所に入庁。道路局総務課・経理係を振り出しに、1990年に港北区区政推進課で初めての区役所勤務を経験。2001年に港湾局総務課長、06年に鶴見区福祉保健課長、09年に監査事務局の監査担当部長となり、16年に西区長に就任している。区長職は今回で2回目となる。
”歴史”と”現在”が同居する
--戸塚区長に就任された感想を教えて下さい。
「戸塚区が区制80周年を迎えたその日に、戸塚区長を拝命し、その重責に身の引き締まる思いです。古くから交通の要衝として重要な役割を果たしてきた歴史の名残を感じますし、一方で戸塚駅や東戸塚駅の周りは商業施設が充実しています。
この他にものづくりや音楽も盛ん。住民の方々も明るくエネルギッシュで、この区で仕事ができることをとても嬉しく思っています」
周年事業 着実に進める
--今年度重点的に取り組む施策は。
「今年は区制80周年を迎えた節目の年にあたります。これをきっかけに戸塚の魅力を内外に改めてPRし、区民に共有してもらい、『これからも住み続けたい』と思ってもらえる取組を進めていきたい。例えば記念イベントの1つとして、5月5日には『凧揚げ大会』を横浜FC東戸塚フットボールパークで実施します。これは、戸塚区では古くから子どもの成長を祝った凧揚げが行われていたことに由来しています。
8月には『夏休み子どもフェスタ』、そして11月の『戸塚ふれあい区民まつり』を区制80周年のクロージングイベントとして開催します。また、区内の魅力スポットを巡るスタンプラリーなども4月下旬から実施する予定です。ぜひ参加してもらいたですね」
防災・減災は行政の基本
--防災・減災の取り組みも極めて重要です。
「行政の基本はそこにあります。区民の皆さんに安全・安心を実感してもらうことが不可欠だと思っています。横浜は今後30年以内に震度6弱以上の地震が来る確率が82%あると言われています。自然災害の発生を人間が止めることはできませんが、減災は着実に進めることができます。
今年度は新たな取組として、自治会・町内会や地域防災拠点に『防災アドバイザー』を派遣し、防災訓練内容へのアドバイスや防災マニュアル作成の支援を行うことで、地域の自助・共助の力を高めていきます。さらに、戸塚区にはマンションや団地も多いことから、マンション自治会や管理組合を対象とした『マンション防災入門講座』を開催するなど、地域特性を踏まえた取組を途切れなく進めます」
「感情を共有したい」
--戸塚区の現状をどのように見ていますか。
「戸塚区は横浜駅や都内への交通の利便性が高く、また、駅から少し離れれば豊かな自然が広がっており、都市の便利さと自然の調和が程よく取れた、とても住みやすいまち。そのため、近年、子育て世代にも人気が高まっています。戸塚区では、毎年2000人を超える赤ちゃんが産まれていますが、これは18区中3位で、全市的にも子育て世代の多い区であると言えます。
一方で、全国的に急激な高齢化が進んでいますが、ここ戸塚区でも2015年から25年までの10年間で75歳以上の高齢者が、およそ1.5倍になると推計しています。「地域包括ケアシステム」の構築や、ハートプランの推進などを着実に進めていくこと。これが極めて大切だと改めて感じています」
--今後の抱負を。
「区民の皆さんの声に丁寧に耳を傾け、感情を共有していきたい。区役所はもとより、区民皆さんのお力もお借りし、一緒に課題解決に向けて取り組んでもらえればと思います。心豊かで笑顔のあふれる戸塚区にしていけるよう、職員一同全力で取組を進めていきます。よろしくお願いします」
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