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南区 コラム

公開日:2015.07.16

〈連載〉さすらいヨコハマ⑪
南区役所庁舎は再活用を
大衆文化評論家 指田 文夫

 横浜市南区役所(南区総合庁舎)は、2016年2月に今の花之木町から浦舟町の新庁舎に新築移転される。東日本大震災を経て、公共建築の耐震性、防災拠点の意義が叫ばれる今日、時宜を得たものであり、林市長をはじめ、関係者の方のご英断には高く敬意を表したい。



 しかし、聞くところでは、現在の庁舎は来年度すぐに撤去し、土地を民間企業などの提案を待って再活用する計画だとのこと。これについては、「少々待って」と私は言いたい。



 と言うのも、私は建築の素人だが、1974年の竣工後まだ41年である。浦舟町に立派なものができる公会堂や後に増設された5、6階部分は撤去して良いだろうが、1階から4階部分は、それなりの耐震補強を施せば十分に使用可能だと思われる。



芸術活動の稽古場に



 そこには、地元から要望が出ている福祉施設、さらに現在の横浜にはない、芸術活動の大きな稽古場、練習場などにはすぐに転用できるはずだ。市内には野毛山動物園のそばに「急な坂スタジオ」があるが、規模が小さく、大編成の音楽、演劇、ダンスには不向き。横浜には東京の西巣鴨や新宿のような廃校利用の大規模スタジオはない。



 財政状況困難な時、「まだ使えるものを撤去するとは、横浜市は随分お金持ちなんですね」と言われないためにも、市担当者のご再考を望みたい。

 

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