生麦第一地区連合会の会長をこの4月から務める 川端 重義さん 生麦在住 80歳
歴史あるまちを受け継ぐ
○…古くは漁村として知られ、400年以上前から続く伝統行事「蛇も蚊も祭り」を今も大切に守り続ける生麦第一地区連合会のまとめ役を務める。生麦で生まれ育ち、生麦一筋80年だが、「前任の石川さんが20年以上務められていたので、重圧ですね」と苦笑する。
○…生麦中学校では陸上部に所属した。当時は練習の器具もあまりなかったが、顧問の先生がハードルを自作してくれて「子どもだった自分たちに親身になってくれたことが本当に嬉しかった」と胸を打たれ中学の教員を目指すように。長かった教員生活で一番思い出に残っているのは、校長として最後に赴任した中学校でのこと。着任した頃は「話を聞く生徒がほとんどいなくて、お世辞にも評判の良い学校とは言えなかった」そうだが、赴任後に教員と地域で生徒たちに積極的に寄り添うよう指導方針を変えた。すると次第に変化が見え始め、不登校の生徒もゼロになるなど学校環境が改善した。「地域が良くなるのは学校次第とも言われますが、逆もまた然り。生麦は地域がすごく温かく、学校との連携も盛んです」と嬉しそうに語る。
○…「生麦」の発音アクセントの違いで地元の人かどうか分かるという。「昔、京急線のアナウンスのアクセントが違っていて、駅員に伝えたこともあった。厄介者が来たと思われたのか、しっかり変わっていました」と白い歯を見せる。
○…生麦事件碑顕彰会や県の退職校長会の会長を務めるなどスケジュール帳には予定がびっしり。「蛇も蚊もが6月に控えていることもありますが、連合会長になってもっと黒くなりましたね」と笑う。「下町風情のある生麦が大好き。歴史などを受け継いでいくために全力を注ぎたい」と力強く語った。