本紙では昨年4月に就任した多摩区・荻原圭一区長(59)に、恒例の新春インタビューを行った。荻原区長は昨年の台風19号などを踏まえ、地域の防災力向上や資源活用を主要テーマに設定。住み続けたいまちづくりへの決意を語った。(聞き手/本紙・地主豊)
――2019年は、多摩区の歴史に残る大きな出来事がありました。
「5月28日には登戸新町で刺傷事件が起き、来日中だったトランプ米大統領が海上自衛隊・横須賀基地の護衛艦での演説中、哀悼の意を表明。そのニュースは全世界に配信されました。事件後、多摩警察署や地元団体の関係者と緊急会議を開いて子どもの安全確保や見守り活動について話し合い、このことを忘れないように毎月28日を『多摩区子ども見守りの日』にしようと決めました。区ではこの日に、青色回転灯パトロール車での巡回を継続。区内で見守りの目を増やそうと、登戸郵便局や多摩安全運転管理者会にご協力いただき、『防犯パトロール中』のマグネットシートを車両に貼ってもらうなど取り組みを続けています。
10月の台風19号では、菅稲田堤や堰などで甚大な浸水被害が発生しました。検証を進める中で、今年はより適した避難所の開設や運営のあり方について検討します」
防災力高め、地域資源活用
――区政運営を進める上で、重点課題についてお聞かせください。
「地域防災力向上と地域包括ケアシステム推進を支えるコミュニティづくり、地域資源の活用という3本柱を掲げて取り組んできました。防災力では『地域がつながる』をテーマに多摩区総合防災訓練を9月と11月に行い、それぞれ約800人、600人に参加いただきました。1回目は初の宿泊型避難所体験を下布田小学校で企画し、浸水被害を想定した水槽での歩行訓練など48カ所の体験ブースを開設。2回目の東生田小学校では52カ所の体験ブースを設けたほか、地図上でどこが危険かシールを貼って参加者で情報共有する『地域の危険マップ』の作成に挑戦しました。
コミュニティづくりでは区内を菅、中野島、登戸、稲田、生田の5地区に分け、多世代の支え合いに取り組んできました。今年2月には『中野島多世代つながり愛フォーラム』や『のぼりとミーティング』を予定しておりますが、お互いの活動を知るきっかけになればと考えています」
――今年度、岡本太郎美術館が開館20周年を迎えました。
「今年度は美術館や多摩区観光協会と連携して七夕短冊やうちわを作り、区内イベントで配布。11月には狛江市民まつりや南房総市産業まつりに私も行き、多摩区の貴重な資源である岡本太郎をPRしてきました。
10月から11月にかけては、JR東日本が主催するウオーキング『駅からハイキング』を登戸駅と6年ぶりに行いました。区観光協会や民家園通り商店会も協力し、『登戸から始まる生田緑地ばら苑と自然・文化満喫コース』を企画。1カ月弱の期間中、JR東日本横浜支社管内で最多の1996人が参加しました」
――最後に区民へメッセージをお願いします。
「区民の皆さんにとって安全で安心して暮らせる一年になることを願い、2020年のテーマを『安』で表したいと思います。市内他区に先駆け、多摩区ではソーシャルデザインセンター開設を今年度中に予定していますが、地域に必要とされるものになるよう力を尽くしていきます」
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