中丸子いこいの家で教養講座「童謡教室」の講師を務める 鬼頭(きとう) 光子さん 下沼部在住 74歳
音楽で地域を幸せに
○…約40人の受講生に童謡や唱歌などの指導を続け8年目を迎えた。「モットーは明るく楽しく、音楽に親しむこと。最初は手探りでしたが、皆さん活気があって楽しく、貴重な時間です」。来月に行われる年に一度の発表会で、受講生が舞台に立つ。「ステージが盛り上がるように曲を厳選して構成した。みんなが幸せになる発表会にしたい」
○…小学校入学と同時に歌とピアノを習いはじめ腕を磨くと、数々のコンクールやラジオ番組に出演した。国立(くにたち)音楽大学に進み声楽を専攻。メゾソプラノ歌手として活躍しホールでのリサイタルや小劇場の舞台に何度も立ったが、ステージを重ねても緊張は消えなかったという。「うまく声が出るか恐怖との戦い。そのために毎日歌を歌ってきたの」と練習の大切さを実感してきた。
○…世田谷区出身。結婚を機に下沼部に住み、3人の子どもを育てた。「出産してから音楽をやめてしまう方が多いですが、続けてきて良かった。主人の理解があり、子育てを手伝ってくれたことも大きい」。学校のママ友と知り合い、地域とつながりができた。下沼部小体育館の落成式に抜擢され祝福の歌を歌い、同小PTAのコーラスグループや玉川中の教師と保護者合同の合唱を指導したことは良い思い出。
○…今年、自身のライフワークとして制作してきたCD『珠玉の名曲』の第10集が完成した。自ら歌う日本歌曲やドイツ歌曲など20曲を収録。「これで最後かもしれないが、音楽一筋で来て良かったなと思える作品になった」と微笑む。童謡教室では歌うことで、参加者が生き生きとしてくるのを感じている。「楽しく歌うことが健康に良い影響を与えていると思う。私のことを育ててくれた地域や周囲の方に歌で恩返しをしていけたら」
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3月29日
3月22日