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戸建て空き家 8割超が「未登録」 市、見込み5千戸に苦慮

社会

掲載号:2020年4月24日号

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多摩新町自治会の空き家パトロール=同会提供
多摩新町自治会の空き家パトロール=同会提供

 川崎市が登録している戸建ての空き家は890戸で、統計調査で見込まれる約5200戸の2割以下にとどまっている。放置された空き家は放火や害虫発生などの危険性がある中、市の担当者は「限られた時間で全ての建物を現地確認するのは難しい」と頭を抱える。

 市は川崎市空家等対策計画を2017年3月に策定し、21年度までの5カ年で実施。各部局で情報共有できる「空家データベース」を作り、登録を進めてきた。今年3月時点の登録数890戸のうち、建物の大きな破損や樹木が茂っているケースは105戸、軽微な破損は411戸だった。

 一方、市の統計調査によると、賃貸や別荘、共同住宅などを除いた戸建て空き家の見込み数は18年度で5200戸。データ上では、登録数の約6倍の空き家が潜在していることになる。

 現地確認を行うのは、各区役所に連絡が入ったり、消防局員が巡回している際に発見した建物のみ。「5千戸にもなると膨大な手間がかかる。コストに見合った方法で一つずつ確認していくしかない」と市担当者。空き家は個人の財産のため調査や判定が困難で、持ち家への思い入れから手放せない所有者も多いという。担当者は「空き家の管理と利活用の重要性に対し、理解を深めてもらうことが必要」と話す。

 管理不全の空き家は樹木の繁茂や害虫の発生、放火の危険性がある。市消防局や区の相談窓口には「雑草を剪定してほしい」「放火されないか心配」との声も。3月の市議会では、空き家に関する市の業務手順を問題視する指摘があった。

専門家と協定へ

 空き家の対策や活用事例として、住民主体の取り組みもある。麻生区の王禅寺みどり町会では、戸建ての空き家を交流の場として再生。多摩区の多摩新町自治会は独自の空き家調査を実施し、12戸の建て替えに至った。

 今後、市は登録済みの空き家所有者に対し、活用希望者とのマッチング事業やコンサルタントの派遣、相談マニュアルの作成を進める。年度内に空き家の利活用を支援する専門家12団体との協定締結を予定。計画の改定に向けた現地確認や所有者の調査も行うという。

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