さがみはら中央区 人物風土記
公開日:2011.02.10
相模原市民ギャラリーアートスポットで作品を展示している作家
高倉 麻世さん
青葉にアトリエを構える
答えを探る旅の途中
○…作品の共通テーマは『深く沈みこむような瞬間』。「デジャブや走馬灯にもともと興味があって。突然昔の記憶がよみがえって、懐かしい、寂しい、不思議な、ザラザラする気持ちになる。その感じに近いかな」。ネットの画像など、自身には現実味がない写真を題材に、それに手を加えて色を重ね、見る人の記憶に訴えかける絵画作品を生み出す。「見た人個人の記憶にかえっていって、何かを思い起こさせる。そんな風に作用したらいいな」と話す。
○…幼稚園の頃から絵が大好き。物心付くと自然と描いていた。東京造形大への進学は、絵を使った仕事に就きたかったから。「作家なんて思っていませんでした」。転機は4年生。コース変更で新しい教授や仲間と出会い、絵と真剣に向き合うように。「やりたいことのしっぽが見えた。掴めそうで掴めない、もっと先が見たい気持ちが強かった」。卒業後、バイトをしつつ制作を続ける道を選んだ。
○…アトリエで1日約4時間、バイトがなければ12時間、キャンバスに向き合う。ためておいた写真をドローイングすることからスタート。後は「絵の具とのやりとり。色を重ねることで、下の色が沈んだり浮き出たり、その質感や触感が楽しい」とニコリ。描く上では、新しいことへの挑戦や予想外の絵の具の状態に出合うことに「ドキドキする」。反対に苦しいことはというと、「将来を考えた時」とコロコロ笑う。
○…『気持ち悪い』『怖い』。作品を見てしばしばそう言われる。「幼い頃抱えていた怖さや寂しさを思い出すからかな」。思い起こす感情はネガティブな要素だが、「生きる上で絶対必要なこと。心強い、武器にもなる感情だから」と力が入る。制作は今も迷いながら。やるべきは、作品を描き続けることと考えを変えていくこと。4月からはドイツに渡り、1年間制作に励む。日本と異なる文化の中での挑戦。”ドキドキ”しながら自身の答えを探っていく。
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